超絶技巧の1時間が再び!米山舞&望月けい「pixiv ONE」直前インタビュー
インタビュー/虎硬
1時間でイラストを描く「ワンドロ(ワンアワー・ドローイング)」を、ピクシブでライブ配信する『pixiv ONE』。大盛況だった本イベントが再び実現! 注目の第2回目は、6月10日(日)にサンシャイン池袋で行われる『pixiv MARKET』内の特設会場にて開催されます。
一般来場でも、オンラインでも見られる今回のpixiv ONEに参加するのは、人気イラストレーター・米山舞さんと望月けいさんです! いよいよ今週末に迫ったイベントに対するおふたりの意気込みを、前回のイベントで実況を担当した虎硬さんがインタビューで迫ります。
「火事場の馬鹿力」を発揮したい
1時間でイラストを描くことははじめてなので、とても緊張しますね。特にあの人気の望月さんと一緒にっていうのが……(笑)。
いやいや、米山さんはずっと憧れの方だったので! 私もとても恐縮してます。
そうですね、アニメのお仕事ではすごい枚数を描くので、その時の火事場の馬鹿力みたいのを発揮できればと思ってます。普段、時間をかけがちな線画工程は早めに切り上げて、塗りや仕上げ作業でイラストを良くしていくイメージですね。後半はフィルタワークが多くなるかと。
── 望月さんも描くの早そう。いつもイラストの更新ペースがヤバいですよね。
とはいえ、私も1時間で描くということには機会がなかったもので、お客さんに見せられるクオリティを保ちつつ完成させるのは勉強でもあり挑戦ですね。何より見て楽しめるようなライブペイントにしたいなと思っています!
やはりタブレットは大人気
私の場合は絵にもよりますが、だいたい3時間ぐらいですかね。ちなみにこちらのイラストはpixiv Sketch LIVEで配信しつつ2時間くらいで描きました。
ライブ見てましたよ。早かった!
線画に注目してもらえると分かりやすいかと思います。趣味で描いているものは線同士が繋がっていなかったりガタついたりして、あまり見栄えがよくありません。それに対して仕事用のイラストではアップにしたときにもほころびのないよう、線の端などにもしっかりと気を遣いながら描いています。
いえ、Procreateはフィルタ周りがどうしても弱いので、見応えを意識してPhotoshopにしました。iMacと液タブですね。
絵は「寝ながら」描く
趣味のイラストなので、ベッドに寝転んだりしながら楽な姿勢で描いてますね(笑)。
── ということは、望月さんも寝転びながら描いているんですか?
私は基本的にベッドの上ですべての作画をしてるので、机を一切使うことがないんですよね。ベッドにCintiq Companion2を置いて、寝転びながら絵を描いてます。
アナログの時はちゃんと机で描いてました。高校1年生のときに父が小さいノートパソコンをくれたので、そこからペンタブを手に入れてからはずっとこのスタイルですね。最近またアナログで描きたいな〜と思っても、ついベッドで作業してしまい、寝て起きたときにコピックの塗料が布団につくという悲劇があります(笑)。
おふたりから見た、前回のpixiv ONE
参加されている方の普段の作品をみると、どなたも描き込みのある完成度の高い絵ですよね。配信を見るまでは「本当に1時間で出来るのかな?」と半信半疑でした。でも、皆さん普段通りの線を迷いなく引いてて、完成度も高かったのでビックリしましたね。
そうなんですよね。ライブドローイングなのに普段と変わりないのが本当にすごいです。線の周りのぼかし処理も、フィルタじゃなくてしっかりと描いていたので「そういうところもやるんだ」といった発見もあり楽しかったです。
前回、出演した4名の方は普段から作品を見ている方々だったので、1時間に凝縮してイラストを制作される様子が新鮮で楽しかったですね。さいとうなおきさんは(通常のイラストと同様に)まず紙で下書きしてからデジタルに持っていって、工程も削ることなく、しかも背景もきちんと描いているという。
── みなさん何かの工程を大きく削ったりということが本当になくて、普通に描いて仕上げているんですよね。「そんな馬鹿な」って感じで出来ていくんです(笑)。
絵として一番面白かったのは爽々さんですね。アイデア勝利という感じで。
こういったイベントを通して知らなかったことを知れるのは非常に楽しいです。
今回のテーマは「雨」
「雨」って情景じゃないですか。普段は情景をテーマにしてイラストを描かないので、正直悩んでいます。
ストーリーがあるようなイラストにした方が「雨」を伝えやすいかなとは思うのですが、それをあえて崩してビジュアル的なモチーフとした「雨」から組み立てていくか迷っています。どちらにせよ、うまく自分の絵にのせていければいいなと思っています。
モチーフとしてはエモーショナルなものなので色々遊べそうだと思いました。ありきたりな絵になるところを、どうにか工夫して避けたいですね。フィルタ効果とは相性がよくて、私のスタイルにあってて嬉しいテーマかなとも思います。
── アニメーションをやっている方は、やはり映像的な捉え方で構図を作っている印象がありますね。
「連続性を見せたい」っていう方は多いと思いますね。
瞬間力! みたいなパワーがすごいですからね。望月さんがもし情景的に描くとしたらどうなるか、すごい楽しみです!
私もそれほど極端に変わるということはないのですが、普段よりはフィルタを多めに使って時短できればなと考えています。ただ、フィルタに頼りすぎるとどうしてもイラストが軽くなってしまうので、そこは気をつけつつ進めようと思います。
自分のスタイルを「信じる」気持ち
私は米山さんの絵を参考にしてイラストを描いているような、いつも勉強させていただいている方のひとりだったので、めちゃめちゃびっくりして周りの知り合いに自慢しちゃいましたね。
みなさんから羨ましがられましたよ! 私が描きたいもののひとつに『リアルとデフォルメのバランス』というところがあるので、米山さんのイラストを見て「私もこういう風」にしたいんだよな、と常々思っています。今回参加する側でもあるのですが、非常に楽しみです!
私も望月さんはずっと前から知っていて、描かれるイラスト、全部お気に入りみたいな感じで。自分の表現を突き詰めているのってすごいなと。自分のスタイルを「好き」とか「信じる」気持ちがとても強いんだなって印象でしたね。
なので、最初にお名前をお聞きしたときは「ヤバい!負ける!!」みたいな感じでした(笑)。同時に嬉しかったのは、すごく私に「わかる」絵を描いていらっしゃる方だったということですね。望月さんは線の表現が90年代のアニメのような、私達アニメーターに刺さるエッセンスを持っていながらも、それがイラストとしてキャッチーで最先端の新しさを持っていると思ってます。
アニメも好きですし、アニメーターさんが描かれる線やデフォルメのニュアンスがとても好きです。自分の表現の原点としてアニメは大きいと思います。
配信は「気軽さ」が良い
── pixiv Sketch LIVEは使いやすいですか?
これまで使いやすい配信サイトがあまりなくて、ソフトや機材の設定が必要だったり、気軽さに欠けるところがあったのですよね。pixiv Sketch LIVEではそういうことが全くなく、画面共有のような形で見せれるので動作も軽くて嬉しいですね。
── ブラウザからすぐに配信できるのは便利ですよね。
Twitterで「やります」っていうと宣伝っぽくなって、ちょっと緊張しちゃうんですが、pixiv Sketchで配信するとpixivのサイト上でフォローしている人だけに通知が行くので宣伝の必要もなく気軽でありがたいですね。
同人誌即売会をキャッシュレスで
小銭は用意するのも持ち帰るのも大変なので、ここが無くなるのは実用的で非常に嬉しいです。買う側としても助かりますね。あとはちょっとアホっぽい感想になりますが、「キャッシュレス」って未来的でカッコいい(笑)。
── キャッシュレスって小銭がいらなくなるってだけかと思いきや、いろんな物をデータで管理できるようになるので、可能性がすごい大きいなと感じました。
あとは、キャッシュレス関係ないですけど、今回のpixiv MARKETは単純に参加サークルさんが有名な方ばかりですごいです。全員壁(=壁サークル:同人誌即売会などで壁際に配置される超大手サークル)みたいな感じになってますね(笑)。
知ってる人しかいない!みたいな。豪華すぎて驚きました。
── この中で描くのは本当に大変なプレッシャーかと思いますが、期待してます!
おふたりが参加するpixiv ONEは、2018年6月10日(日)14:00スタート!
いかがでしたか? おふたりが参加するpixiv ONEが見られるのは、6月10日(日)に開催される『pixiv MARKET』「内の特設会場、および下記URLにて14:00より見られます。超絶技巧が惜しみなく披露される、アツすぎる1時間をたっぷりとお楽しみください!
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pixiv ONEとは?
2018年1月5日〜6日にpixivで行われたライブドローイングイベント。人気クリエイター達が同じテーマを元に、60分という限られた時間の中で、構図から作品の完成までを一気に行う。ここでしか見られないクリエイターの超絶技巧を、解説付きで楽しめる。
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