私たち「衰退ジャンルオタク」です! 無供給でもひたむきに愛を注ぎ続けるオタクたちの実態とは?
近頃、かつて一世を風靡した作品がリメイクされて、続々と復活を遂げています。長年その作品を愛し続けたファンにとってはこれ以上ないよろこびでしょう。
しかし、歓喜に沸くオタクたちがいるその陰で、公式からの供給が途絶えて何年経っても、ひたむきに愛を注ぎ続けるオタクもいます。
そんな「衰退ジャンルオタク」たちの悲喜こもごもを描いたマンガが、現在pixivコミックで連載中の『マキとマミ ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~(以下『マキとマミ』)』です。
そして今回、12月7日(木)のコミックス発売を記念して、作者の町田粥先生を筆頭に「衰退ジャンルオタク」の女性ふたりを招いて座談会を開催。「衰退ジャンル」にハマってしまったからこその「つらみ」や、長年オタクを続けてきたからこそわかる「あるある」などについて、赤裸々に語り合ってもらいました!
<座談会メンバーをご紹介!>
町田粥先生
小学生のころにプレイした『某老舗乙女ゲームA』にハマりオタクデビュー。中高生の間は創作活動がメインになりオタクを休業。しかし学生のころ『某老舗乙女ゲームA』がリメイクされたことで再燃。オタク復帰を果たすものの、思いを共有できる相手はすでにいなくなっていた。現在pixivコミックで、自身の経験をもとに描いた『マキとマミ ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~』を連載中。
鈴木さん
すでに放映から10年以上が経っていた『聖闘士星矢』シリーズにハマったことが「衰退ジャンル」オタクデビュー。その後は、児童文学作品などとにかくマイナージャンルにハマりがち。
横山さん
<たまに出てくる、そのほかの登場人物>
編集Yさん
リサーチャーH
pixivision編集部。座談会中、リアルタイムで情報を検索するリサーチャーとして同席。
私たち「衰退ジャンルオタク」です!
<トークテーマ#01> 自分が愛し続ける「衰退ジャンル」について
最初のトークテーマは、自分たちが愛し続ける「衰退ジャンル」について。自己紹介もかねて軽く……と思っていたものの、みなさん熱が入ってきて結構な撮れ高でした。
私の場合、一番はじめにハマったのが『聖闘士星矢』シリーズ。リアルタイムで放映されてから10年以上が経っていたころだったので、すでに「衰退ジャンル」でした……!
── 同い年のはずなのに作品がぜんぜんかぶらない……! ちなみに、ご自身が愛し続けているジャンルが「衰退しているかも」と感じるのはどんな瞬間なんですか?
学生のころ『某老舗乙女ゲームA』のDS版が発売されたんですね。その移植が完璧だったから、久々に二次創作の個人サイトを漁ってみたんです。そうしたらもうほとんど誰もいなくなっていて……。それが「衰退」というものを意識しはじめたきっかけでした。
素直にうらやましいなとは思います。でも、だからって簡単に浮気できるわけじゃないんですよ……。
全員:(うなづく)
(すると、リサーチャーとして同席していた編集部Hが思わず声をあげる)
私もずっと好きな作家さんがいて、その人の連載小説の更新が止まってからずっと続きを待ってたことがあります。「楽しみにしてます」って伝えたかったんですけど、プレッシャーになってしまうのも嫌で。だから、話し方を変えて別人を装いつつWeb拍手を送り続けたんです。(感極まって涙ぐむ)そうしたら1年後に、同じ設定の読み切りを描いてくださって。めちゃくちゃうれしかったことがあります。
自分の性癖と向き合ってみよう!
<トークテーマ#02> 自分の性癖を決定づけた「レジェンド推し」
▲ 『マキとマミ ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~』第2話より
── なるほど。「レジェンド推し」の特徴がそのまま性癖になっていくわけですね。
私がこれまで好きになったキャラはほとんど「『色白肌』×『黒髪』×『オシャレじゃない眼鏡』」なんです。これは完全に「レジェンド推し」である筒井公博さん(『ヒカルの碁』)の影響。ちなみに、私は毎年筒井さんの誕生日をお祝いしています!
私は「レジェンド推し」というより『「チャイナ服」の呪い』にかかっています。見た目とか性格に関係なく、チャイナ服を着ていたらもれなく「好き……!」ってなるんです。
子どものころに見ていたアニメのカッコいいキャラってみんなチャイナ服を着てたんですよ。蔵馬(『幽☆遊☆白書』)とか乱馬(『らんま1/2』)とか。だから絶対、潜在意識に刷り込まれているんだと思います。
「不器用な不良」ですね。巻き込まれ系ヤンキーというか。誰かを傷つけたいわけじゃなくて、大切な人とか弱い自分を守るためにしかたなく不良をやっているキャラが大好きなんです。それと「不真面目に見えて実は……」っていうギャップのあるキャラも好きですね。
私は「雨の中、泣く皇子」が大好きなんです。
最近の「リメイク」ブームに物申す!
<トークテーマ#03> 愛するジャンルの「リメイク」、正直どう思う?
── どんなトラウマですか?
── (リサーチャーHが調べた比較画像を確認)……本当だ! ビジュアルだけ見たら完全に別人……。
リメイクしてくれるのはうれしいけど「いや、そうじゃない」ってことは結構ありますね。戦国武将モノがものすごく流行っている時期、ファンタジーな世界観の乙女ゲームに戦国時代っていう設定だけ追加するという謎のリメイクが行われたことがあって。それはそれでおもしろかったんですけど、期待していたものとはちょっと違っていて……。
▲ 『マキとマミ ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~』第9話より
あのころは「ネチケット」とか「ネットマナー」がすごく大切で。トラブルを未然に防ぎたかったんじゃないかと思います。みんな「毒吐きネットマナー」っていうサイトを読み込むんです。
オタクって手に職つくんですよね。
▲ 『マキとマミ ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~』第3話より
『マキとマミ』はいつか全オタクが共感する作品!
<トークテーマ#04> 『マキとマミ』の中で共感したエピソードは?
最後に12月7日(木)に単行本が発売された『マキとマミ』に登場するエピソードの中で、とくに共感したものについて聞いてみました。
▲ 『マキとマミ ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~』第4話より
『マキとマミ ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~』のコミックスが12月7日(木)に発売!
今回座談会に参加していただいた町田粥先生の『マキとマミ ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~』のコミックス第1巻が12月7日(木)から発売されました!
すでに「衰退ジャンルオタク」を自覚している人はもちろん、まだまだ他人事だと思っている人も、いずれは全オタクが通る道。「わかりすぎる」と共感するためにも、いずれ訪れる”そのとき”に備えるためにも、一読の価値がある作品です!
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