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インタビュー
2021.06.28

「完全なものより未完成のものが求められる」FANBOXクリエイター座談会ハイライト

pixivFANBOXをはじめてみたい方や、使い方に悩まれている方に向けて、クリエイターの生の声をお届けする「FANBOXクリエイター座談会」が、2021年5月28日、YouTubeでライブ配信されました。


これからFANBOXを始めようとご検討されている漫画家の田中圭一さん、すでにFANBOXでもご活躍されているイラストレーターのさいとうなおきさん、そしてFANBOXを中心に活動されている、はまけん。さんをゲストに、濃いお話が2時間近く展開されました。


今回は、座談会のハイライトをまとめてギュッと圧縮してお届けします。

さいとうなおき(イラストレーター)
  • さいとうなおき(イラストレーター)
  • 1982年生まれ。ゲーム会社を経て現在フリーランス。ポケモンカード公認イラストレーター、『ドラガリアロスト』メインイラストレーター、マンガ『バキ』シリーズの着彩などを担当。お絵かき上達テクニックを伝えるYouTuberとしても大活躍中。

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田中圭一(マンガ家)
  • 田中圭一(マンガ家)
  • 1962年生まれ。サラリーマン兼業マンガ家として活動。手塚治虫タッチのパロディーマンガ『神罰』をはじめ『うつヌケ』『若ゲのいたり』などで知られる。現在は京都精華大学マンガ学部にて専任教授を務めながら、株式会社BookLiveにも勤務。

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はまけん。
  • はまけん。
  • 同人誌(「NOVELIZE」名義)やFANBOXを中心に活動中。ライトノベル「15才でもオレの嫁」挿絵なども担当。Twitterで「妹が一日一回しか目を合わせてくれない」を投稿中。

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    FANBOX

あらためて、FANBOXとは?

pixivFANBOXは、支援者からの継続的な支援でクリエイターを支えるファンコミュニティです。言い換えれば、月額制のファンクラブ、あるいは有料ブログのようなものを簡単に運用できるサービスということもできます。


イラスト、マンガ、音声データ、動画など、さまざまなファイル形式に対応しており、支援プランの金額はクリエイターが自由に設定可能(最大10,000円)。手数料は10%のみで、誰でもすぐに開設できる、といった特徴があります。

オススメのプラン設定と投稿の頻度

FANBOXのクリエイターさんから最もよく聞かれることは、①プランの金額をいくらにしたらよいのか、②投稿の頻度はどのくらいがよいのか、という2点です。


①については、500円がオススメです。なぜなら、FANBOXでクリエイターを支援している人が1人に対して支援している平均が約500円だからです。迷ったらとりあえず500円プランを作って、FANBOXに慣れてきたら、もっと高いプランを考えましょう。


②については週1回くらいがオススメです。FANBOX全体の平均は月に約3回なのですが、多くの支援を受けている人は、月に4~5回のペースを保って安定的に投稿されていることが多いです。


1回の投稿のクオリティも、投稿の頻度も、もちろん高いに越したことはありません。しかし、それが支援者数の増加につながるかというと、必ずしもそうではありません。無理をして投稿できなくなることが一番の機会損失になりますので、無理なく続けられるペースをつかむことがとても大事です。

「気軽さ」がFANBOXの魅力

さいとうなおき

最初のきっかけは、一般開放される前(※)にお声がけいただいて。

※pixivFANBOXは当初、一部のクリエイターに限定した運用を行っており、2018年4月に誰でもクリエイター登録ができる「一般開放」となりました。

FANBOX坂本

今は誰でもすぐ始められるようになっていますが、その頃は、われわれからお声がけをしたクリエイターさんだけに限定して、実験的な運用をしていましたね。

さいとうなおき

機能も今とは違うところがあったり。そこで正直、やり方を失敗したなと思っていて、更新も全然してなかったんです。でも、一般開放後も支援してくれている方々がいて、その支援を無駄にしたくなくて考えていたら、たまたまいい方向が見つかったという感じです。気持ちの部分の変化もありそうですが。

はまけん。

僕は一般開放のときに周囲の絵描きさんが一斉に始めていたので、その流れに乗って。作家業は不安定なので、少しでも安定させられたらなと。最初は支援者が全然いなかったんですが、だんだん増えてきまして。

田中圭一
増えるようになったきっかけって何なんでしょう?

はまけん。

やはりFANBOXの宣伝をしっかりするようにして、その上でFANBOX限定のものがありますよ、というふうにしたのが大きかったように思います。

FANBOX坂本

われわれからすると、このクリエイターはフォロワー数がこれだけあるのだから、もうちょっと宣伝するだけで支援者はもっと増えるのに……ということは結構ありますね。

さいとうなおき

やっぱりお金をもらうので、いやらしく見えないかなって思うところはありますよね。そこがクリアになれば(支援を)お願いしますと言いやすくなる。

FANBOX坂本

この3年くらいの間に、クリエイター側も、支援する側も、お互いに理解が進んできている感じもあります。

さいとうなおき

支援する側が気軽に入ったり辞めたりできるのがFANBOXの良いところだと思うんですよね。YouTubeでスーパーチャット(≒投げ銭)をする感覚で。

FANBOX坂本

クリエイターさんは、お金に見合ったものを出さないと、みたいに重く考えすぎることが多いんです。毎回FANBOX限定で、新しいものを出さなければいけないわけじゃない。(支援する側と同様に)気軽に楽しみながら活動してもらうのが一番だと思っています。

未完成なものこそ価値がある

田中圭一

お金をもらっているのが精神的なプレッシャーになるというのは、すごくよくわかるんですよね。

さいとうなおき

以前は勘違いしていて、商品として完全なものを出さなきゃいけないと思っていたんです。でも逆で、支援する人って、不完全な、完成までの過程を見せてくれって人のほうが多いんですよね。そこを応援したいんだと。

田中圭一

アイドルですと、ステージ以外の日常とか、レッスンしているところを見せるとか、そういうのが価値になると思うんですが、私みたいなマンガ家の場合って、何に相当するんですかね?

さいとうなおき

僕の場合は、Discordというソフトを使って、支援者のみなさんだけが入れるコミュニティにして、たまに相談をしていますね。「このYouTubeのサムネイルとこのサムネイルどっちがいい?」とか。

サムネがずらりと並んださいとうなおきさんのYouTubeチャンネル。

田中圭一

そういうとき、声が大きい人がいたり、アンチみたいな人がいたりはしないんですか?

さいとうなおき

課金のハードルがありますね。わざわざお金を払ってまで嫌がらせをしに来ようというのは、あんまりないんですよね。

FANBOX坂本

VTuberさんも、支援者をDiscordのサーバに招待するという特典はよくやっていますね。マンガやイラストの連作などで「このあとの展開はどっちが良いか?」みたいなことも。オリジナルキャラクターのイラストを投稿して、名前の候補をコメントで募集したり。

はまけん。

僕もやってますね。FANBOXだけに先行でマンガのプロットを出したりするんですが、漢字が間違ってますよとか、オチがわかりにくいですとか、教えてもらえますね(笑)。

さいとうなおき

編集者さんみたいですね(笑)。

はまけん。

再アップしたら「前より良くなった」とか(笑)。そうやってTwitterやpixivに投稿したら、やはり反応も良いんですよね。

さいとうなおき

すごくいい関係性ですよね。

FANBOX坂本

支援者にとっては、完成する前に見ることができて、しかも制作に参加できるというのが、ほかにかえがたい特典になっているんですよね。

支援者に甘えたっていい

田中圭一

僕のファンが僕に求めているものって、ギャグとか、パロディとか、下ネタとかだと思うんです。でも、FANBOXではぜんぜん違うことをやりたいと思っていて。はたして、それで満足してもらえるだろうかと。

さいとうなおき

それこそ相談してしまえばいいのではと思いました。

田中圭一

なるほど。あと、普段求められていることと、違うものを混ぜるのも大丈夫なんでしょうか。

FANBOX坂本
ぜんぜんやっていいと思います。普段こういうジャンルのイラストを描いているから、違うジャンルで描くと支援者が減るのではと気にされる方もいらっしゃしますが、あまり短期的な支援者数の増減を気にしすぎないほうがいいですね。


好きなことに好きなように挑戦することを優先して、それで支援してもらえたら儲けもの、みたいな考え方のほうが、モチベーションも維持できて、長期的には良い結果につながりやすいと思います。

はまけん。

僕も同じで、支援してくださっているみなさんに甘えてしまっていいと思うんですよね。

さいとうなおき

甘えるっていい言葉ですね。「はまけん。は俺が育てた」って言える権利をあげます、みたいな。

はまけん。

同人誌を出すときに、通常の販売とは別に、FANBOXで支援してくれた方にだけBOOTHで特別なオマケつきの同人誌セットが買えます、ということをやってみたこともあります。

FANBOX坂本

たまに1年とかの継続支援の特典として何かを無料であげます、ということをされているクリエイターさんがいらっしゃるんですが、やってみると個別に発送とかいろいろ大変なんですよね。


BOOTHのシークレット公開の機能を利用すれば、FANBOXの支援者にしか見えない商品ページというのも簡単にできますし、グッズも倉庫から発送してもらえる。なんならリアルグッズじゃなく、電子書籍とか、デジタルなファイルでもいいんですよね。

田中圭一

ファンなら有料でも、特別なものはほしいですからね。

はまけん。

支援者の3分の1くらいの方が購入されて、そもそも支援者の数も増えて、翌月の継続率もよく、満足感の高い施策だったのかなと思っています。

支援は次のチャレンジにつながる

さいとうなおき

先日サイン会をやったんですが、そのときにFANBOXの支援者さんが何人も来てくださって。Discordでもお話したことがあったので「あー!◯◯さんですか!」ということが。そのくらい密なコミュニケーションがとれるのは良いことだなと思いましたね。

FANBOX坂本
最近はどうしてもご時世的になかなか即売会で支援者と直接お会いするということが難しいですが、支援者には同人誌の取り置きをするとか、サインをしてあげるとか、そういうことも本来はFANBOXでやりやすくなるんですよね

さいとうなおき

あとYouTubeを始めたとき、今でこそマネタイズできていますけど、当時は何もお金にならないことをやるわけで。FANBOXで支援をしていただいていたことで、チャレンジしやすかったというのはありますね。

はまけん。

お金以外でも、ちゃんと読者がいて待ってくれているというのはモチベーションになりますね。特に僕は商業活動をしていなくて締切がないので、FANBOXを更新するためにはマンガを描かなきゃとなりますし。

FANBOX坂本

やっぱり支援者が編集者さんみたいな役割になっていますね(笑)。実際さきほどのお話とは逆に、あえて週1でこれを投稿しますと支援者に約束をして自分を追い込む、みたいな使い方をされている方もいらっしゃるんですよね。

座談会の続きはYouTubeで!

FANBOXクリエイター座談会のライブ配信では、このほかにも、さいとうなおきさんがどのようにSNSの使い分けているのか、はまけん。さんがFANBOXを3年運用するなかで経験した試行錯誤などなど、興味深いお話がたくさん聞けました。


また、ゲストのみなさんには、当日コメントなどで寄せられたご質問にも、たっぷりご回答いただいています。もっと深いお話をたくさん聞いてみたい方は、ライブ配信の本編アーカイブがありますので、そちらをぜひご覧ください!

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