過去最多1,497点から選ばれたのは…!? pixiv高校生イラコン2025結果発表&作品講評
ピクシブが主催する高校生向けイラストコンテスト「pixiv高校生イラコン2025」が2025年の夏に開催され、厳正な審査を経て受賞作が決定しました。

最優秀賞
全応募作のうち、最も優れたイラストであると認定された作品です。作者には賞金20万円が贈られます。
審査員による講評
浦浦 浦: 陰影部分における色彩表現などに熟達が見て取れ、画力も高く、髪の毛など細かい部分にこだわりを持って描いているのが伝わります。自然な視線誘導にも、テクニックを感じます。知識や技術を持っていたら描けるものもたくさんありますが、この絵にはさらにセンスも加えられていて惹かれました。プロとしてすぐにでも活躍できそうです。
寺田てら:大胆な視点とパースで生まれる浮遊感に、時計や花といったモチーフが物語性を添えています。白を基調とした静かで落ち着いた色使いの中に、差し色や光影のメリハリが映えますね。構図の力強さと繊細さが絶妙なバランスを生み出している作品で、強く魅了されました。
はるお:ペイントソフトのさまざまな機能を使いこなしており、テクニックもありますね。飛び出そうとしているようにも吸い込まれているようにも見える浮遊感が不思議です。スクラップブックに巻き込まれている様子は、思い出を振り返っているよりも、積み重ねのその只中にいる、という雰囲気が感じられました。
lack:初めて見る発想にとても惹きこまれました。時間や思い出を表現する手法で、人物の一部を写真や本にしている作品はこれまでにも見たことがありますが、スクラップブックの中に人物を挟み込むのは初めて見ました。おそらくAIにはない発想であり、人間味があって好きです。練りだした構想を、見る人にも伝わるように作品へ落とし込むのは大変な作業ですが、それをやり遂げていてすごいです。
ろるあ:過去の受賞作品はテーマに対して空間を描いている作品が多い中、しっかりとキャラクターで表現しきっている点に惹かれました。色使いも素敵です。lack先生も言われているように、発想をうまく画面に落とし込むのは難しい作業なのですが、それが見事にできています。
はるお:アイデアの勝利に加えて、技術もある作品ですね。過去の最優秀賞は情景を切り取ったような密度の高い画面が多かった印象ですが、こちらは想像を具現化したような抜け感のある画面で、斬新さも感じました。例年の流れを打破する作品で新たな風を感じます。
浦浦 浦:どんな大物になるのか、今後が楽しみです! 行けるところまで行ってほしいです!
クリエイター審査員賞
現役クリエイターである審査員がそれぞれ独自の視点で選んだ作品です。作者にはAmazonギフトカード3万円分が贈られます。
浦浦 浦賞
浦浦 浦:今の時代にアナログで戦う姿勢に惚れ込みました。この方はおそらく、「作品の中にある時間を感じさせる表現」を意識してコンテストに挑まれたのではないかと思います。言葉で言うのは簡単ですが、形にするのは技術がないと難しいことで、それをやり遂げていることに痺れました。もし僕が高校生の頃にこの作品と出会っていたら、筆を置いていたかもしれないと思うほど画力が高く、「本当にすごい」の一言に尽きます。この作品に出会えてよかったです。
ろるあ:今この時代にアナログで描かれているのは魅力的ですね。写真と見紛うほどのとても緻密な描写に驚きました。
寺田てら:アナログであることを知らなかったので、より驚いています……素晴らしいです! 筆致の質感が景観の湿度や時間の流れを感じさせる点が秀逸ですね。静謐な空気感も生み出せています。
lack:コピックか水彩で描かれていると思うのですが、それでこの水面を描けるのがすごいです。画力が高く、芸大生レベルの実力を感じる作品です。
はるお:波間から「時」を感じますね。アナログで描いたとは思えないほどの画力で、この方の画集があれば買いたい!と思わせるぐらい素敵な作品です。
寺田てら賞
寺田てら:ロストアポカリプス的な廃墟感と、「未来へ向かう学校」というモチーフのギャップが強く心を打ちます。青を基調にした光と影の表現が美しく、静けさと哀しさを同時に感じさせます。黒板の文字や崩れかけた教室のディテールにより、物語性が自然に伝わってくる構成です。テクスチャっぽい質感表現と空気感の演出も素敵です。
ろるあ:光の当たっている向きや廃墟の雰囲気が過去の比喩表現になっていて、心象風景のようでとても素敵だなと感じました。きっと、高校を卒業して何年かしてこの絵を振り返ってみると、今よりもずっとこの絵に強い感情が芽生えると思います。
はるお:モチーフ選びにおいてもライティングにおいても、コントラストが効いていますね。圧倒的な静けさがありつつも、生き生きと茂る緑や風にたなびく花に、強い生命力も感じます。
浦浦 浦:時間を作品に閉じ込めるという点において、卓越した表現力とアイデア力を感じました。余韻の残る素晴らしい作品です!
lack:時間というモチーフからこのイメージが出てくるのが非常にいいですね。一目で理解できるテーマ性に合わせて、細かい要素から深い考察もできる素晴らしい作品だと思います。
はるお賞
はるお:シックな色使いですが派手さもあって、その不思議さに見入ってしまいました。普通の車で時空を移動している感じも明るくて好きですね。昨年も応募されていますが、今年はすごく成長した絵を見せていただいたように感じています。今の描きこみ具合も全体に良い味を出しているのですが、欲を言えば、車の外をもう少し描き込んでもよかったかなと思いました。
寺田てら:キャラクターの表情がとても活き活きとしていて、楽しさがしっかり伝わるイラストです!
浦浦 浦:デフォルメ具合や色味が素敵です。
ろるあ:表情や絵としての完成度が高く、見た目的な派手さもあって好きです。
lack:絵に勢いを感じます! テイストを変えて絵を描き分けられそうな方なので、幅広く活躍できそうですね。
lack賞
lack:ライティングや描写技術がとても高く、魅力的なイラストに仕上がっていて感銘を受けました。希望にあふれる中学生の世界に導かれているものの、小学生の本人は漠然とした不安を持っており、まだ中学生になりたくないという複雑な感情を見事に表現しています。今回のテーマ「時」が一目で感じられる構成が上手いです。
ろるあ:lack先生がおっしゃる通り、表現したいことがすごく伝わってくる絵です。タイトルの『来ないでッ!』と、女の子の「まだここに居たい」という雰囲気がよく合っています。描写力の高さも目に留まる素敵な作品です。
寺田てら:ライティングはもちろん、服のしわやスカートの折り目など難しい部分もしっかり描き込まれており、細部にこだわりを感じます。
はるお:難しいテーマを瞬時に伝える描写力がありますよね。自分が経験したからこその希望も描けていて、エモい作品です。
lack:これを高校生が描いているのもいいですね。背中で語れる絵を描けるのは末恐ろしい才能です。今後の作品も楽しみにしています!
ろるあ賞
ろるあ:構図や色使い、キャラクターの仕草がシンプルに構成されているにも関わらず、女の子の息遣いや絵全体の実在感が感じられる素敵な作品だと思いました。絵として成り立たせることと、キャラクターやモチーフの実在感の両立ができているのはすごいです。この作品はアニメーションにしても成り立ちそうですね。「時」というテーマに対して、いろんな時間軸の人を配置する表現も好きです。
寺田てら:色使いにメリハリがあってかっこよく、可愛いキャラクターとのバランスがとても素敵です!
lack:リボンに「OK」と描かれているのは、KEEP OUTのテープで作ったからなんですね。細かいところに物語が考察できる要素があって素晴らしいです。
はるお:細かく見ると発見がたくさんあっておもしろいです。ネタの入れ込み方にもこなれ感がありますね。
企業賞
各協賛企業が選定した注目作品です。作者にはそれぞれ各企業より創作関連グッズなどが贈られます。各企業からのコメントもご紹介します。
CLIP STUDIO PAINT賞
手段は変わってもやることは同じであることが対比させる構図でうまく描かれていて、頭に気持ちよく入ってきました。細部も遊び心をもたせつつ、鮮やかながらあたたかみのある色使いと丁寧な筆致で描かれており、隅々まで飽きずに眺められます。そうやって眺めていると、ふたりは先祖と子孫の関係なのか、はたまたタイムスリップした同一人物なのか……ストーリーまで浮かんでくるようで、様々な面から楽しむことのできる作品だと感じました。
コピック賞
構図や各モチーフの配置バランスが見事で、子猫たちが迷い込んで驚いている様子がしっかり伝わってきます。ドーム型の室内であったり、生きているかのような迫力あふれる標本など、絵を見ているこちらもわくわくしてしまいました。また、使用する色の系統を絞ったことで画面に統一感が生まれ、さらにセンスの光る色使いがこのイラストの魅力をぐっと高めています。きっと幅広いモチーフを楽しんで描ける方だと思いましたので、ぜひこれからも色々な作品をたくさん描いていただけたらと思います。
KADOKAWA キトラ賞

月の刻、古都を行く。
by うみ
手前の友だちは脇目も振らず前を進んでいく中、ふっと空を見上げる女の子が主人公です。風にあおられて、一瞬空を見上げたときに月の美しさに魅入られた様子がその表情から伝わってきます。月が実際の空ではなく、少女の瞳の中にだけ映し出されているという構成も見事です。祭りの喧騒の中のほんの一瞬でありながら、この少女はこの情景を忘れることなく心に焼きつけるのだろうと確信させられます。まさに、「時/Time」というテーマにふさわしい、一瞬の永遠を描いた物語ではないでしょうか。
ポカリスエット賞
カロリーメイト賞
いつもの「帰り道」。高校生の日常の中にある一瞬から、かけがえのない時間の輝きが伝わってきました。そんな今を大切に過ごす皆さまの日々に寄り添うブランドとして、カロリーメイト賞をお贈りいたします。ご受賞おめでとうございます。これからのご活躍を心より応援しております。
マルマン賞
マルマンのコーポレートブランディングとして”すべての人が創造的にできるサービスを提供する”という「Creative Support Company」を制定しております。時を忘れてなにかに夢中なる場面は自分の強みとなり、新しい価値を生み出す力となります。夢中になって挑戦する姿勢を作品の細部から感じ、選定させていただきました。
ショウエイ賞①
柔らかい色合いが作品全体を包み込んでいて、とても心地よいです。筆箱というモチーフと人物の表情や夏の情景が重なり合い、懐かしい気持ちを呼び起こさせてくれる作品です。また、印刷する紙によって、さまざまな表現が出来そうな可能性を感じました。
ショウエイ賞②
暖かい空気感で、見ていると物語を想像したくなります。細部まで丁寧に描き込まれており、隅から隅まで、つい時間を忘れて鑑賞してしまう見応えある作品です。デジタル画面でも魅力的ですが、印刷物にしたときに質感や色の深みがさらに引き立ちそうです。
ショウエイ賞③
ボーンデジタル賞
季刊エス・スモールエス賞
ワコム賞
ネクストクリエイター賞
ネクストクリエイター賞 / 全国動画クリエイト甲子園
審査員一同、シンプルに絵がめちゃくちゃ上手だなという印象でした! 動画クリエイト甲子園は大人には出せない高校生らしさ、自由な発想を期待しているコンテストです。小森師走さんの自由な発想を動画クリエイト甲子園に組み合わせたときにどのような作品ができるかを考えた時に応募作品の中で一番ワクワクしたので選出させていただきました! 今回は小学生の絵だったと思うのですが、ぜひ高校生まで成長した姿を期待します!
優秀賞
上位入賞は逃したものの、審査員の目を引いた作品に贈られる賞です。選考で話題にあがった作品については審査員のコメントも紹介します。
ろるあ:全体的に表情豊かでかわいく、特に左にいる楽しそうな子が好きです。欲を言えば、目立つ場所にもうひとりいたらよかったなと思いました。同じ人を複数の時間軸で見られる作品が好きなので、見ていて楽しいです。
はるお:技術もある方で、あえて引き算した顔が描かれていて、計算されているなと感じました。
浦浦 浦:とにかく上手です。僕は黒を使うのが得意ではないため、ここまで黒を使って仕上げられるのが素敵です。今のままでも十分魅力的なのですが、宇宙飛行士をもっと真ん中に配置して、地球をもう少し描きこんでも良かったかなと思います。
はるお:コントラストが素敵で、荒さも味になるぐらい引き込まれる作品です。
はるお:食欲で時間を意識する若い視点が新鮮ですね。
浦浦 浦:高校生らしくて微笑ましいです。
浦浦 浦:色鮮やかでとても目を引きました。
寺田てら:ストロークの味がとても素敵なイラストです。影と色使いも繊細で綺麗です!
はるお:キャラクターを大きく切り取った作品が少ないからこそ、この構図はすごく目立ちますね。

刹那、痛みすら忘れて
by きき
はるお:引きで見ても迫力がありますが、寄りで見ても筆致に勢いを感じられるのが魅力的な作品です。
lack:Procreate(プロクリエイト)で描いているのかな。ブラシの独特な感じが良い味を出していますね。作家性を感じます。
lack:画力が高く、絵の雰囲気も良いですね。とても上手だと思いました。
浦浦 浦:「時」というテーマでシンデレラを選んだのが素敵だなと思いました。絵としての仕上がりから、技術力も感じます。
はるお:技術があるから、絵にも迫力がありますね。
ろるあ:たくさん入っているモチーフが、女の子と合っていて、全体的によくまとまっていますね。絵としてとてもかわいく描けています。良い点でもあり惜しい点としては、『変貌』というタイトルやキャプションの内容に対して、女の子が周囲のモチーフと馴染みすぎている点です。もう少しギャップがあってもよかったかなという印象です。
lack:「京都へ行こう!」の文字が入っても違和感がないぐらい、商業絵として完成されていますね。
はるお:pixiv高校生イラコンのメインビジュアルであってもおかしくないぐらいのクオリティです。
ろるあ:左から右に流れるアニメーションのような表現ながらも、一枚の絵として見られるところに目が留まりました。
はるお:弓を弾いている姿がうまく表現されていますね。横長のサイズが活きています。
寺田てら:見せ方がとても綺麗ですね! はるお先生のおっしゃる通り、横長のサイズと四季、構図がしっかり効いていて素晴らしいです。
ろるあ:描写と表現したいことがマッチしています。りんごを剥いていくと、どんどん年をとっていって、最終的には何もなくなってしまう、というか。果実を選んだところも含めてうまいなと思います。
はるお:見た人がどう考えるかまで想像していそうですよね。りんごを社会人に見立てて、熟していくとも腐っていくとも考えられておもしろい作品です。
寺田てら:難しい表現にチャレンジしていて素晴らしいです。一枚の絵からいろいろと想像を掻き立たせてくれる、わくわくできるイラストですね。
lack:コインランドリーを「時間を意識する場所」と捉える視点がおもしろいです。
はるお:高校生には珍しい発想かもしれないですね。洗濯機の扉越しに透かして見る描写もおしゃれだと思いました。
はるお:この方は複数の作品を応募いただいていますが、この作品は他と毛色が違い、新しい一面を見せてもらった気がします。
lack:2023年に最優秀賞を取られていますが、この作品を見ると納得の上手さです。
lack:拡大して見ても商業で成り立つレベルです。何も言うことがないくらい綺麗で、作品として完成しています。
寺田てら:鮮やかな補色関係と暖色・寒色のバランスが心地よく、イラスト全体に活気を与えています。
浦浦 浦:技術もあり、色合いも含め、全体的にかっこいいですね。
はるお:迫力があって素敵な作品です。このままスライドのアニメーションで見せたいですね。左下に描かれているイラストは海洋生物の記録みたいです。
はるお:満月、変身、骨壷、サーチライト、非常ボタン……シンプルな構図ではありますが、盛り込まれたモチーフから、その背景にあるストーリーや怒り、恐れ、悲しみといった感情がストレートに伝わってきます。迫力があり、とても印象的な作品です。
はるお:暖色中心の画面の中にある寒色・暗色が「静」の重さや沈黙を引き立てていて、メリハリがありますね。蝉の鳴き声や、子どもたちのはしゃぐ声が遠くに聞こえてくるようです。
はるお:時系列を一枚にまとめた作品が複数あった中で、一番味があるなと感じた作品です。私にはなかなか使えないような色味を大胆に使っていて、本の小口に描かれた絵が壁画のように見える表現も素敵です。
ろるあ:過去に自分が描いてきた絵と、理想として見てきた絵が混在していて、そこに時の流れが感じられるのがいいですね。ただ、ここまで描写力があるなら、もう一押しわかりやすくなる表現が加わるとさらに良くなるのかなと思います。
lack:例えばここに、リアルな手と鉛筆が1本描いてあるだけで、伝わりやすくなるかもしれませんね。
ろるあ:とても上手で色味もきれいです。もう少しテーマである「時」を感じられたら、もっと良かったなと思いました。
はるお:『遅すぎたんだ、僕は』というタイトルの通り、手前の彼らを祝福できないネガティブな感情を鮮やかな色で表現しているのがとても素敵です。
はるお:絵としては少し荒いので惜しいですが、色で迫力を出せていて惹かれました。
はるお:お別れのシーンですが、しんみりとではなく大胆な表情で別れを惜しんでいるのが魅力的でした。
寺田てら:柔らかな色彩の重なりと透明感が繊細で素敵です。
はるお:上位に入るぐらい色使いが素晴らしいです。
寺田てら:コントラストや構図がばっちり決まっていて、とてもかっこいいです! 黒で締めることによって、絵の怖さや美しさが強く伝わってきます。
審査を終えて
はるお:最優秀賞に選びたいと思える作品が多くて、絞るのが大変でした。イラスト自体はどれもレベルが高く、作品に込められた思いや、アイデアの秀逸さ、テーマと合っているかなど、さまざまな視点から見て、最終的には満場一致で決まりましたね。
lack:デジタルで絵を描く文化が普通になっているから、それを使いこなして、絵の奥行きの幅というか、表現力がどんどん上がっているのを感じましたね。過去にもこのイラコンの審査をさせていただいたのですが、高校生のさらなる進化を感じました。
寺田てら:一枚一枚に込められた「好き」という気持ちが強く伝わってきて、私自身、絵を通じて多くの発見や気づきをいただきました。「こんな技法や表現方法もあるのか」と驚かされる作品も多く、見る側としても学びが多かったです。絵に正解はなく、それぞれの解釈や工夫があると思います。もしひとつ言えるとすれば、「どうすれば多くの人の目を惹きつけ、感動させられるか」を考えながら描いていくと、さらに制作が楽しく、豊かなものになるかもしれません。
ろるあ:自分が高校生のときに描いたイラストを思い出しながら見ていましたが、こんなにうまくなかったなぁと思いました(笑) 。末恐ろしいと感じるぐらい、みなさんとても上手でした!
浦浦 浦:僕が高校生の時からpixiv高校生イラコンは開催されていましたが、当時はただただ感嘆していただけで、応募はしていませんでした。比較されて負けるのが嫌で逃げた気もします。応募されたみなさんは僕になかった勇気があり、行動もしており、とても尊敬しています。
はるお:「納得いく作品が描けなかったから」と応募を諦めてしまった人もいるかもしれませんが、シビアに言えば、納得なんて一生できないですからね。それでも応募することで、たとえ受賞に届かなかったとしても、作品を見てもらえたり、好きだと言ってくれる人がいたり、そういう広がりが生まれます。
lack:人目に晒してナンボですからね。コンテストがあっても応募しない人がいる中、戦いの場に出てきたみなさんは偉いです。
ろるあ:受賞された方に「おめでとうございます」と伝えたいのはもちろんですが、受賞していない方も落ち込まないでほしいです。自分が高校生の頃はみなさんのようにはうまく描けませんでしたが、今では仕事があり、イラストレーターとしてやっていけています。高校生は成長できる時間がまだたくさんあるので、多くのことを吸収しながら、前を向いて進んでほしいです。
浦浦 浦:そうですね。受賞できなかったからイラストレーターになれないということではありません。何年経っても、どんなときも絵を描くことを頭の片隅に置いて、細々とでも描き続けていれば、チャンスはあると思いますので、ぜひ描き続けてほしいです。
はるお:そもそもコンテストでは、アイデアが偶然人とかぶってしまうことや、審査員自体の好みもあります。入賞していなくても上手な作品はたくさんあって、だから、入賞しなかった=技術的に劣っている、とは捉えてほしくないです。
lack:もうすでに作家性を感じさせる域まで到達している人もいて、将来が恐ろしくもあり、楽しみでもありますね。
寺田てら:今回のコンテストが、皆さんにとって新しい挑戦や気づきのきっかけとなればとても嬉しいですね。そして、応募という行動を起こしたその勇気と原動力に大きな拍手を送りたいです! どうかこれからもその力を活かして、絵を描く楽しさを広げていってください。
はるお:改めて、応募してくださったみなさん、ありがとうございました! そして、作品たちを見てくれた方、コンテストに関わる全ての方々のおかげで、充実した「時」となりました。1,497の作品が生まれるまでの時間、そして、それらの作品を人々が見る時間はとても膨大です。それらの時間がこのコンテストに費やされた事実は、確実に歴史の一部分になっているはずです。その歴史の一部に、関われてよかったと思っております。これから先の未来も、みなさんとイラストを介して繋がりを持ち続けられたら嬉しいです。
pixiv高校生イラコン2025とは?
次世代のクリエイターが可能性を掴める場を創設すべく、高校生を対象に2018年より毎年開催されているイラストコンテスト。