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  • 「自分が考えた最強の百合」を発表する場。「第4回百合文芸小説コンテスト」は選考会まで熱かった!
小説
2022.06.17

「自分が考えた最強の百合」を発表する場。「第4回百合文芸小説コンテスト」は選考会まで熱かった!

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  • 百合文芸小説コンテスト
  • 編集者インタビュー

構成/原田イチボ@HEW

女性同士の恋愛や友愛を描いた小説を選出する「第4回百合文芸小説コンテスト」の選考会が行われました。『コミック百合姫』、『SFマガジン』、河出書房新社、書泉百合部のスタッフが選考員を務め、熱い「百合論」を交わしました。


大賞をはじめとした受賞作は? そして、選考委員はどんな点を重視しているのでしょうか? 選考会での議論を通して、「魅力的な百合小説」というものの輪郭がぼんやりと見えてきました。

大賞作は、坂崎かおる『嘘つき姫』

5月20日、百合を愛する者たちが都内某所に集まりました。彼らは「第4回百合文芸小説コンテスト」の選考委員。今回から新たに河出書房新社がメンバーに加わりました。まずは自己紹介です。

内藤望(以下、内藤:):一迅社の『コミック百合姫』編集部で、『私の推しは悪役令嬢。』(漫画:青乃下/原作:いのり。)『踊り場にスカートが鳴る』(うたたね游)などを担当している内藤望です。私自身は2回目から本格的に選考に参加させていただいております。第3回の百合姫賞作品『夏とレモンとオーバーレイ』のコミカライズも担当しております。


溝口力丸(以下、溝口:):早川書房のサイエンス・フィクション専門誌『SFマガジン』編集部の溝口力丸です。『SFマガジン』2019年2月号で「百合特集」を組んだことをきっかけに「第2回百合文芸小説コンテスト」から選考委員を務めています。百合ものの担当書籍としては百合SFアンソロジー『アステリズムに花束を』、『裏世界ピクニック』(宮澤伊織)や『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』(小川一水)などがあります。


石川詩悠(以下、石川:):はじめて参加させていただく、河出書房新社編集部の石川詩悠です。「第1回百合文芸小説コンテスト」で話題になった「ソ連百合」こと『月と怪物』作者の南木義隆さんの初単行本『蝶と帝国』を担当しています。今回は「帝政ロシア百合」で、7月20日頃の発売予定です。

書店「書泉」の百合好きスタッフによる「書泉百合部」は、残念ながら都合がつかず選考会は欠席し、後日メールにて受賞作を伝えるとのことでした。そして、いよいよ選考へ……。「第4回百合文芸小説コンテスト」には2389作品が集まりました。投稿者数は747人で、複数作品を投稿する猛者が大勢いました。一次選考を通過した作品リストをもとに、選考委員が意見を述べていきます。
内藤:『海の魔女は愛を知らない』(さちはら)は、過去に囚われた魔女の気持ちが少女との出会いで変化していくというのが、百合作品として王道かつクオリティも安定していたように思いましたがどうでしょう? もう一歩……という印象もありましたが。


溝口:人魚姫をベースにした物語であるぶん、元ネタからのアレンジをもう少し楽しみたかったように感じます。


石川:『知見寺家の蔵には運命が眠っている』(Ru)は、故人を悼む「喪中アルバイト」という設定がよかったですね。ただ、大賞に選ぶにはややパワー不足な印象でした。


溝口:技術的には坂崎かおるさんの『嘘つき姫』が抜群ですね。この方は前回の百合文芸でSFマガジン賞を受賞していますし、昨年の「さなコン」(日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト)では日本SF作家クラブ賞、「ブンゲイファイトクラブ3」では準優勝、「第28回三田文学新人賞」では佳作と、もはやセミプロというか道場破りのような活躍ぶり(笑)。

嘘つき姫

by 坂崎かおる

溝口:第二次世界大戦中のフランス、ドイツが舞台なので、歴史考証に関しては改めてチェックが必要だとは思いますが、作者自身が知識をふわふわさせたまま書いている印象も感じませんでした。


内藤:読んだ後ずっしりと心に残って、読者が何かしら考えるきっかけとなる作品でした。構想・執筆段階でウクライナへの軍事侵攻は始まってはいなかったとは思いますが、臆せず投稿していただいたことで、今読まれることに意味のある作品にもなったと感じます。タイトルにもある嘘で結びついた「姉妹」の、彼女たちならではの関係性が感じられた作品でもありました。


石川:この強度に匹敵する応募作は、他にありませんでしたね。構成的にも難易度の高いことをやっているのですが、「この登場人物を、この舞台設定で、この構成で書く」ことに必然性がありました。下調べもものすごくされていると思うのですが、「100調べて10を書く」を地で行っているのも好印象です。


溝口:……やはり自分は、坂崎さんが大賞作にふさわしく感じます。


石川:&内藤:異論なしです。


溝口:すでに幅広いジャンルの作品を投稿してきた方ですし、坂崎さんが数年後、どんな作家さんになっているのか楽しみです。

コミック百合姫賞は、4kaえんぴつ『人権意識が高い勇者』

大賞作が決まり、ここからは各章の選考です。まずはコミック百合姫賞(賞金10万円。コミック百合姫にてコミカライズ検討)です。

内藤:コミカライズ検討という条件である以上、「マンガにしたとき魅力的か」という観点を重視しています。印象的でビジュアルが思い浮かぶような見せ場があり、そこに向かう道筋がしっかりしていることや、キャラクターが魅力的であることは重要。関係性の積み重ねが描けているか等も意識しています。そうした点を踏まえ、百合姫賞は『人権意識が高い勇者』(4kaえんぴつの小説)としました。若い師匠と弟子という関係性が王道かつ、その描き方も丁寧でした。また、「魔導」というファンタジー設定の中にも著者の個性があり、それがしっかりと見せ場に繋がっていた点が良かったです。「勇者」という単語は、作品の魅力と関係が薄いのでタイトルは再考の必要ありかとは思いますが。

人権意識が高い勇者

by 4kaえんぴつ

惜しくも受賞は逃しましたが、『幽霊が空を想ってくれたから』(わかしま)と『日常侵食型百合風俗<マイ・ディア>』(橙山カカオ)も候補作だったそうです。
内藤:『幽霊が空を想ってくれたから』 は、女性が好きだと自覚した女子高生と浮世離れした画家、生きづらさを抱えた二人の交流がしっかりと描かれていて完成度も高かったです。『日常侵食型百合風俗<マイ・ディア>』 は、「理想の友人を提供する百合風俗」に翻弄されている様子が上手く出ており、その本心の読めなさが魅力的でした。最終的にはマンガ化した際に、より魅力が引き出せるか、で判断させていただきました。
小説のコミカライズを検討するにあたって、着目する点があるといいます。
内藤:キャラクターの心理がしっかり伝わってくるかは、コミカライズを検討する際には気になるポイントです。原作の情報を取捨選択しマンガとして再提示する立場としては、感情の変化を描くための前提が不足していたり曖昧だったりすると、作品としてイメージしづらくはなってしまうので。

SFマガジン賞は、カスガ『汝ら、すべてのゾンビたちよ』

次にSFマガジン賞(賞金5万円。SFマガジンに掲載)です。

溝口:SF的なアイデアのおもしろさ、百合の関係性の妙、小説的な巧みさ、この3つのどれかに光るものがあってほしいです。たとえ宇宙やアンドロイドなどSF的なガジェットを使っていても、他の作品でもよく見るような描写に留まっていると勿体ないですよね。その点、『汝ら、すべてのゾンビたちよ』(カスガ)はイチオシです。タイムマシンでいろんな時間軸のドラえもんを集める『ドラえもんがいっぱい』という有名なエピソードがありますが、いわば『汝ら、すべてのゾンビたちよ』はその百合バージョン。過去と未来の「自分百合」です。図も交えながらタイムパラドックスについてロジックを突き詰めて作品内での答えを提示した、時間SFの系譜に連なる最新作。そのSFアイデアでしか生み出せない関係性、感情に結びついているのもすばらしい。作者のジャンルSFに対する愛を強く感じて、最初に読んだ時点で「これでSFマガジン賞はほぼ決定だな」と感じました。

汝ら、すべてのゾンビたちよ

by カスガ

そのほかで印象に残った作品は、『落花不朽、赤耳合縁』(鹿島)と『ブルーデイジーの帰還』(咲川音)、『彼方からの呼び声』(黒川亜季)、『空っぽの惑星酒』(鳥原継接)でした。
溝口:『落花不朽、赤耳合縁』も好きですね。「体から落ちた耳が、主人から離れてもなお音を届ける」という設定で、こういう奇想もまたSFの醍醐味と言えましょう。『ブルーデイジーの帰還』は、「百合SF」と聞いたとき多くの人々が思い描くであろうテイストに近い佳品です。美しい物語でありますが、美しいまま終わったというか、それ以上の驚きがなかったのが惜しい。『彼方からの呼び声』は、ラストシーンの映像なイメージの美が素晴らしいです。ただ壮大な設定ゆえに説明にカロリーをかけた結果、肝心の百合の部分が薄くなってしまっているように感じました。そういった難しさがあるので、宇宙、アンドロイド、ポストアポカリプスものなどは短篇の場合、説明を詰め込みすぎず、作中時間やシチュエーションを絞ったほうが瞬間火力が出るんじゃないでしょうか。『空っぽの惑星酒』は、「小惑星を原料に酒を造る『宇宙酒造』」というアイデアがいいですね。


石川:僕は日本酒が好きなのですが、『空っぽの惑星酒』は実際の酒造りをベースにしたSF描写がされていたり、酒好きがニヤッとするタームが出てきたりして楽しかったです。


溝口:たしかに。筒井康隆ファンに目配せした「酒でいっぱいの海」という最後のフレーズも素敵です。ただ、宇宙酒造というそれだけでSF小説が1本書ける題材に百合も加えるとなると、3万2000字では足りません。短編にするなら引き算が必要だし、もしこのままの設定で行くなら、長編や連作短編として発表したほうがいいのではないでしょうか。

河出書房新社賞は、ねぎしそ『あの日、私たちはバスに乗った』

そして、河出書房新社賞です。

石川:「自分の文体を持っているか」「文章を読む楽しみがあるか」など、小説的な技巧にも重きをおきつつ、百合の可能性を小説として拡げてくれるような作品を求めて選考しました。その点でいうと、百合に限らず小説や文章そのものを息をするように読んで、そして作品に結実させているな、と感じられる作品、つまり候補作は自然と絞られていった印象です。『あの日、私たちはバスに乗った』(ねぎしそ)は、一読した時点でほぼ決まりでした。出だしこそ「いったい何を読まされているんだ?」感があったものの、キャラクターやエピソードに引っ張られてグイグイ読み進めてしまい、冒頭からは想像もできなかった爽やかなラストへ……。百合という「フィクション」への感覚もすごく鋭敏な方だと感じました。

あの日、私たちはバスに乗った

by ねぎしそ

溝口:読者の心を掴むセンスを要所で発揮していますよね。教科書を茹でたりとか。


石川:委員長ジャンケンとか(笑)。ひと言で「○○百合」と呼ぶのは難しく、大賞に推すにはややポピュラリティに欠けるのですが、河出のような出版社がキャッチしなくてはならない才能だと思わされました。
ほかには『振り返らない少女たち』(まつきりん)、『綺麗なものを閉じ込めて、あの湖に沈めたの』(ななめの)、『白百合たちはまわり、おどる』(たつたあお)といった作品が目に留まりました。
石川:『振り返らない少女たち』は、文章的な評価としては一番でした。ただ、ワンアイデアの物語かつ、そのギミックがVRというSFでもレッドオーシャンのものであるわりには新味が薄かったので、文章の端正さと差し引きしても少し弱いかなと。『綺麗なものを閉じ込めて、あの湖に沈めたの』は「死体埋め百合ミステリ」ですね。「夜」や「京都」など、これを書きたいんだ!というものが伝わってきてよかったです。情景描写や会話も達者で、それがゆえにかもしれないのですが、特に終盤はエモーショナルさで押し切ろうとするきらいもあり、惜しかったと思います。女学生ものの『白百合たちはまわり、おどる』は、「悪意」がよく書けていました。


内藤:『白百合たちはまわり、おどる』は、雰囲気や設定など引き込まれる部分が多かったのですが、主人公とお姉さまの関係に着目して読む読者が多いと思うので、ダンスホールに行った後がもっと見たいと感じてしまいました。どこを見せたいのかが曖昧だった印象です。


石川:オチから逆算していたのだと思いますが、たしかに全体的に「書きすぎている」がための散漫さは否めませんでした。この文体に対して地の文が説明的すぎたり、フェミニズム的なフレーズがちょこちょこ出てくるものの踏み込まれなかったり。ラストの出来事は多くの読者が共有しているはずなので、見せ方を工夫したほうが「効く」と思いました。どの程度の情報量をもったどういう視点の語り手なのかをもう少し詰められると、よりよくなりそうです。


溝口:歴史ものをやるのであれば、「自分は当時の出来事を現代からこのように捉えた」という視点が欲しいですね。作者の意見に賛成であれ反対であれ、自分なりの答えを提示する姿勢は好印象です。

書泉百合部賞は、あきやしろ『マドレーヌ、あるいは夏の終わり』

なお、選考会に欠席した書泉百合部からは、書泉百合部賞(賞金3万円。書泉百合部限定グッズ)の受賞作が後日メールで伝えられました。見事受賞したのは、『マドレーヌ、あるいは夏の終わり』(あきやしろ)です。書泉百合部では、ライトな百合ファンでも楽しめるような作品であるかを意識して選考しているそうです。
書泉百合部:『マドレーヌ、あるいは夏の終わり』は、かつての親友の娘を預かることにより、彼女を通して過去の想いを再確認していく物語です。若かりし頃の想いを新たな形に昇華しているところが前向きで好印象でした。物語の季節が夏なのも、読後感に一層の爽やかさを加えています。

マドレーヌ、あるいは夏の終わり

by 暁社夕帆(あきやしろ ゆうほ)

「死体埋め」が多かった?今回の総評は

受賞作が決まった後も、しばらく選考会は続きます。「第4回百合文芸小説コンテスト」では、ひとつの印象として「死体を埋める作品が多かった」という声が上がりました。

溝口:死体埋めに限らず、「多くの人が書いている題材だからダメ」ということはありませんが、自分以外も大勢書いていることを念頭に置いた上で埋もれないための作品づくりをしたほうがいいですね。


石川:ジャンル内ジャンルはすぐに常套化してしまうので、あえて挑むのなら「このジャンルを終わらせる」くらいの気概がほしいとは思ってしまいます。


溝口:単なるネットミームの流用に甘んじず、本気で死体埋めに向き合ってほしいです。実際に自分で何かを土に埋めてみるとか。その経験が作品にも反映されるかも。もちろん現実で死体を勝手に埋めてはいけませんが(笑)、女二人で死体を埋めるリアリティにはまだまだ私たちの知らない可能性が詰まっている気がします。


溝口さんは、「百合SFでは、女性ふたりのうち片方が死にがち」なところが気になったそうです。
溝口:これは今回の百合文芸に限らない傾向ではありますが、なぜでしょうね?


石川:物語をドライブさせる手段として登場人物の死は有効ではありますが、百合が女性同性愛を核としたジャンルである以上、「片方がなぜこんなに死ななければいけないのか」はよりいっそう真摯に考えるべき問題だと思います。特にここ数年で、フィクションを取り巻く価値観の、いわゆる「アップデート」の浸透度合いは大きく変わりましたよね。


溝口:数年前なら許されていたある種の無邪気さが今では問題になる……ということは、百合に限らずフィクションにおいて往々にしてあります。現代的な価値観に向き合うことは、必ずしも作品の幅を狭めるものではありません。むしろそうした社会の変化について常に想像力を働かせておく試みは、ジャンルが5年後、10年後も元気であるためには必須だと思います。そのうえで付け足せば、死は必ずしも悲劇ではないし、恋愛の成就は必ずしもハッピーエンドではない。「ふたりがくっつきました。めでたしめでたし」よりも、必ずしも恋愛関係とは言い切れないふたりの感情の浮き沈みのほうが百合的な強度は出るかもしれません。恋愛至上主義に回収されない百合の可能性も残しておきたい。


内藤:もちろん恋愛に真正面から向き合った作品にもドンドン出てきてほしいですね。


石川:そういった問題意識を作品に昇華させるためには、まずはインプットあるのみです。とりわけ映画には時代の映し鏡的な側面があると思っているので、映画をどんどん観ていくことをおすすめします。

内藤:悲劇は興味を引きやすいですが、その作品で表現したいことに本当に即しているのか、読者にどう受け取られるのか、そういった感覚を持てるかどうかはとても重要です。ある表現をするとき、それが持つネガティブさにも敏感でない作品は、結果的に一人よがりで魅力に欠けるものになると思います。
かつては百合といえば学生カップルが主流でしたが、今では社会人同士を描いた百合も珍しいものではありません。しかし、「社会人百合」が人気ジャンルとして定着したからこそ、作品に求められるクオリティも上がっています。
石川:「学生ではなく社会人同士の百合」という時点でひとつの武器になった時代はありましたが、その段階はもう過ぎましたよね。


溝口:登場人物が社会人なのに、いまいち何の仕事をしているのかわからない作品が多いですね。せっかくの社会人百合なら、もっと仕事のディテールを掘ってほしいです。


内藤:仕事は学生生活と比べると人によって違いが大きく、漠然と「社会人」とすると共感しにくくなるだけの可能性もあります。そのキャラはどういう業種のどういう業務を担当していて、それはどんなところが大変で、どういう先輩・後輩がいたらうれしい職場なのか。「仕事」に対する解像度を高めていくと、作品の魅力も増すはずです。
百合文芸小説コンテストも今年で第4回目。どのような作品が受賞するのかを分析する向きもありますが、選考委員としては、そういったやり方には懐疑的なようです。
内藤:傾向と対策みたいなものに囚われてしまうと、どうしても作品としてのパワーが落ちてしまうと思います。媒体の違いから生まれる各賞の特徴はあるとは思いますが、それは「こういうタイプの作品がいい」という傾向ではありません。


溝口:既存の枠に収まった仕上がりになってしまいますよね。変にこちらの顔色をうかがわず、「自分が考えた最強の百合」というものを信じて投稿してほしいです。多少粗さがあっても何かひとつでも突出した作品に出会えると、編集者としてもうれしく感じます。


石川:傾向と対策的なものを強いて挙げるとすれば、「応募要項をちゃんと読む」ということだけですね。応募要項違反が結構あったようなので……。傾向と対策ではなく、「戦略」として助言するのであれば文字数でしょうか。たとえば今回でいえば、アンソロ収録を狙うのなら2万字未満に収める。書籍化を狙うのなら、1編で本にしやすい10~12万字くらい。言葉は悪いですが「商品」として扱いやすい分量というのはあって、もちろんそれで受賞が決まるわけではまったくありませんが、受賞後の展開も見据えるのであれば、文字数も意識して執筆するといいかもしれません。


溝口:あとはTwitterのフォロワー数、pixivでの閲覧数やブクマ数なども選考に関わりありません。我々はあくまで作品単体で評価しているので、数字から選考通過のための条件を読み取ろうとしても徒労に終わるでしょう。


内藤:弊誌は百合文芸小説コンテストの初回から参加させていただいてますが、「百合文芸らしさ」のようなものは特にないと思っています。毎年、驚きを与えてくれる応募作を読めているのが「らしさ」と言えるかもしれませんが……。この4年間だけでも時代は本当に大きく変わりました。これからも時代の空気の移り変わりに鋭敏な作品が出てくることをとても楽しみにしています。


溝口:本気で受賞を狙うなら、やはり地道に小説をたくさん読んで、書き続けるのが結局は一番の近道だと思います。もちろん、百合文芸小説コンテストをひとつのお祭りとして捉えて、気軽に参加していただけるのも歓迎です。

今回もたくさんのご応募、ありがとうございました!

>>他の受賞作はこちらからチェック<<

「百合文芸小説コンテストセレクション4」発行

この度はたくさんのご応募をありがとうございました。
受賞者のみなさま、おめでとうございます。

受賞作は今後、各雑誌へのイラスト付き掲載やアンソロジーへの収録等を予定しています。

短編部門の受賞作は2022年夏頃発行予定の冊子「百合文芸小説コンテストセレクション4」に収録予定です。



今回の表紙イラストレーターは、現在pixivWAEN GALLERYにて初個展「水に溺れて夢を見る」を開催中の美和野らぐさん。
生まれた場所、境遇、想いによってそれぞれの幸せの感じ方は違うけれど、それが共有されたときの小さな喜びはひとしおで、そんな世界を感じていただけたらと描きました。

なぜこの場所にいるのか、なぜこの二人は一緒にいるのか、可能性は無限大ですので、ぜひ想像して楽しんでいただけましたら幸いです。


2022年夏頃発行予定の「百合文芸小説コンテストセレクション4」をお楽しみに!

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