「相互フォロワーにミュートされてるかもしれない」それは気遣いの可能性がある/カレー沢薫の創作相談

文/カレー沢 薫
相互フォロワーにミュートされてるかもしれない
まず言えるのは「イーロンのせい」です。
最近のXはイーロンのメンヘラアルゴリズム変更で紅に染まっており、相互でも投稿がまともに表示されず見逃しやすくなっていると聞きます。
使用しているのがXとは一言も言っていませんが、創作者の癖にXではないSNSを使っている理由は「イーロンが嫌」以外ないと思うので、実質イーロンのせいです。
このように何故都合の悪いことを全部イーロンのせいにできるかというと「確かめようがない」からです。
もちろん「本人を問い詰める」という必勝法もありますが、それをすると「お前がミュートされるのは必然であり、ブロックじゃないことを神に感謝しろ」で回答が終了します。
確かめようがないことなら、政治や国、イーロンなどのぼんやりした巨大なもののせいにして考えるのをやめるのが一番早いのです。
考えるだけ時間の無駄、というのもありますが、確かめようがないことを考えるとき「いい意味でミュートされた」など、発想がポジティブに向かうことはほとんどありません。
「ミュートされたかもしれない」から、自分がミュートされるような悪いことをしてしまったのかもしれないという反省、しかしその程度でミュートする相手も心が狭いという怒り、最終的に両方悪いからお前を殺して俺も死ぬという殺意まで、無限に悪い想像を膨らませがちなのが「考えても仕方のないことを考える」という行為なのです。それではカーズ様とて途中でやめるはずです。
気がすむまで悪い想像を膨らませるのも手
しかし、創作なんてやっている人間は元々想像力が豊かであり、豊かすぎて自分でもアンコントロールな上の空野郎ばかりなので、想像でものを考えるなと言っても無理があります。
よって、変に考えないようにするのではなく、一旦気がすむまで悪い想像を膨らませきるという手もあります。
想像にも「相手に確認はできない」もしくは「殺すわけにもいかない」という一応の終着点はあります。終点まで悪い想像RTAをして、早めに切り替えるのもいいかもしれません。
しかし悪い想像をフルコンプしても、しばらくすれば「もう一回遊べるドン!」と、また違うルートで悪い想像をはじめてはキリがありませんし、「やはり殺そう」という最終結論に到達しても困ります。
真実は確かめられない、悪い想像も止められない。それならもう仕方ないとして、せめて「自分のせいでミュートされた」など、己を責める想像をするのはやめましょう。
仮にミュートされているとしても、こちらではどうしようもない相手都合によるミュートだと想像するのです。相手の方が辛いかもしれない
まず考えられるのはタイムラインの断捨離に巻き込まれたケースです。
そういうと自分との繋がりが不要と判断されたと落ち込むかもしれませんが、これは「関係の断捨離」ではなくあくまで「タイムラインの断捨離」と考えてください。
繋がりを切りたいのなら、フォロー解除やブロックでいいでしょう。
そこをあえてミュートを使うのは、特に相手に落ち度はなく、関係を断ちたいわけでもないが、自己都合により、相手の投稿をタイムラインに出現させたくないケースです。
私もX自体が今世紀最大の時間の無駄にも関わらず「全て今の自分に必要な情報が流れてくる無駄のないタイムラインにしたい」と考えてしまうことがあります。
ジャンルを移動すると旧ジャンル仲間の投稿や情報が不必要に感じられるときがあり、だからといって解除をしてしまうと相手が気にするかもしれないので、気づかれないようにミュートを選択しているのです。
また、あなたは旧友からのミュート疑惑で辛いかもしれませんが、相手はもっと辛い可能性があります。
精神的に辛いときは「目に毒」が増え、視界に入るもの全てに怒り、劣等感を感じるものです。
正直に言うと私も相互フォローしていた同業者をミュートしたことは1回や2回ではなく、その理由も明確であり、相手が売れてきたときです。
何で他人の売れ情報が辛いかというと、もちろん自分が売れてないからであり、メディア化や何万部突破情報はもちろん、調子が悪いときは「重版」と一言発しただけでミュート対象でした。
では相手が私に何の断りもなく売れやがったのが悪いかというと全くそんなことはなく、清々しいまでの嫉妬だと自分でわかっているので、無駄な逆恨みを向けないためにサクセス情報を視界に入れないようミュートをしているのです。
同じように、相手も今メンタルの状態が悪く、他ジャンルで楽しくやっているあなたのつぶやきや、自分より優れているように見える作品を見て辛くなってしまったのかもしれません。
あなたは特別楽しくしているつもりはないかもしれませんが、相手がそう感じてしまったなら仕方がありません。
「自分が悪い」と考えるのは、ある意味自己中心的な発想であり、相手にもいろいろ思うところや、はっきり言って「知るかボケ」な事情があったりするので、ミュートされたのは自分の問題ではなく、相手の問題だと思った方がいいでしょう。
そもそも「ミュート」を選択するのは相手に「気づかれないようにしたい」ときです。それが気遣いかはわかりませんが、波風を立てたくないのだけは確かです。
あなたが何故かそれに気づいて、心を痛めているというのはお互いにとっても不幸です。
そもそも何でミュートされていると気づいたんでしょうか、根拠を知りたいところですが、聞くと私も疑心暗鬼に陥りそうなので聞かないでおきます。




カレー沢先生こんにちは。
いつも楽しく、時に真剣に拝見しております。
今回の相談なのですが、ネット上の人間関係での不安をどう処理するかについてお伺いしたいです。
もう長く交流があり、ジャンルが変わっても繋がっていた相互がいるのですが、どうも最近ミュートされているような気配があります。
確証はありませんし、仮にされていたとしてもミュートやブロックは個人の自由なのはわかっています。
ただ、それはそれとして凹みます。
現実にこういった悩みを共有できる友人がいれば良かったのですが、あいにくそんな友人はいません。
考えたところで解決できる問題ではないのは重々承知しているのですが、どうしても気になってしまいます。
こういう時、不安に対してどう向き合えば良いでしょうか。