Rellaさん メイキング&インタビュー 静寂閑雅な世界を「Adobe Photoshop CC」で描く
理想への“あと10パーセント”を創造するための「Adobe Photoshop CC」
──Rellaさんが「Adobe Photoshop」でイラストを描かれるようになったのはいつ頃からですか?
今から9年ほど前にペンタブレットを購入したのですが、それを機にデジタルでイラストを描くようになりました。その時最初に触ったのが「Adobe Photoshop」だったんです。当時は父のPCを借りて使っていました。それから今まで、ずっと愛用しています。ほかのお絵描きソフトもいくつか使っていますが、大事なイラストや仕事で描くイラスト、複雑なイラストの時には必ず「Adobe Photoshop」を使っています。
──イラストレーターとして感じる「Adobe Photoshop」の魅力はどういうところですか?
具体的な機能で“これ”というところはすぐ出てこないのですが、むしろそこが魅力というか……。やはりツールとしての総合的な完成度の高さに魅力を感じます。強いてあげるなら、「トーンカーブ」と「フィルター」ですね。このふたつのおかげで、描くだけでは表現しにくい画面効果を作り出せるので気に入っています。
──今お使いの「Adobe Photoshop」のバージョンは?
今は最新の「Adobe Photoshop CC」を使っています。以前は「Adobe Photoshop CS5」を使っていたのですが、CCを触ってみてかなり使いやすくなったと感じたので乗り換えました。基本的にカスタマイズなどはしていなくて、そのままで使っています。
「Adobe Photoshop」は豊富なツールやブラシなども魅力ですが、私の場合はできるだけ手で描いてすべてを表現したいので、あまりカスタマイズはしないんです。だから使いこなしているとはちょっと言えませんね(笑)。
──基本的にはすべて手描きで表現したいということですか?
はい。私は美術系の学校に進学したのですが、その時にかなり濃密な授業を受けることができました。学校の授業の半分ぐらいが絵の勉強をする時間だったんです。その時に教わったのが、とにかく「見て描く」ということ。モチーフをずっと観察してひたすら描くんです。ひとつの小物を描くのにも30時間ぐらいかけることもあったんですよ。
今でも物の質感や光の明暗などは、できるだけツールを使わずに手で描いて表現するように心がけています。最近、お仕事で水やクリスタルといったモチーフをたくさん描く機会があったのですが、それらもなるべく手で描き表現するようにしました。手で描いて表現しようとすると時間がかかってしまうので、フィルターを多用して表現するほうが早くて確実なんですが、やはり手で描くとそれが蓄積になるので。
ただ、それで描けるのって頭で想像したうちの80~90パーセントくらいなんですよね。絵描きの人は誰もが感じていると思うのですが、自分の想像の100パーセントを描くのって不可能じゃないですか。だから仕上げの段階でその想像を超えるものになってほしい。そこを手助けしてくれるのが、「Adobe Photoshop」の「トーンカーブ」や「フィルター」なんですよ。
「見る」と「手で描く」
──今回描かれたイラストについて教えてください。キャラクターと風景の組み合わせが独特の雰囲気を醸し出していて、とても強いメッセージ性をもったイラストと感じました。
HowTo用のイラストということで、私が一番得意な題材がよいのではないかと思い、普段から描いているオリジナルのキャラクターと好みの風景の組み合わせで描いてみました。
彼女はなにも考えずに落描きをしていた時に出てきてくれた子で名前はないんですが、友だちは天使っぽいから「天使ちゃん」って呼んでます。そのままですね(笑)。羽をイメージした髪の毛と天使の輪以外は、これといった設定はありません。
背景は「広い空」「広い海」といった景色が広がる様が好きなので、空と雲と水面というシンプルなものにしました。彼女との組み合わせで、終末感が出せればと思ったのですが、感じてもらえたでしょうか。
今まで描いてきたイラストのほとんどは、自分が見たことのある景色から発想を得ているんです。たとえば、一昨年に公開した「ハジメテノオト」は、飛行機の上から見た東京の夜景を描いたものなんですよ。離陸する機内からは写真を撮ることができないので、自分の目と心に全力で焼き付けました。毎年ミクさんの誕生日イラストを描いてますが、この年はその夜景を思い出しながら描いたんです。
旅行が好きでいろんなところに行くのですが、やっぱり写真で見るのと自分の目で見るのとでは、同じ場所・物でもまったく違った見え方をします。写真に撮るのもいいですが、できるだけ見て覚えるようにしています。
あとは音楽ですね。絵を描く時に音楽がないと描けないんです。聴く曲はJ-POPでも洋楽でもアニメの曲でもなんでも──もちろんボカロも大好きです。私の場合は聴いている音楽の影響が大きくて、悲しい曲を聴くとそういう雰囲気の絵になってしまうんです。だから描きたい絵の雰囲気に合わせて聴く曲も変えているんですよ。
──今回のイラストではどのような曲を?
米津玄師さんの「サンタマリア」を聴きながら描きました! 歌詞と曲から神聖なイメージが広がって、大好きな曲です。
──今回描いていただいたイラストもそうですが、Rellaさんのイラストは色使いがとても特徴的ですよね。色使いで気をつけていることとかはありますか?
じつは私、色の組み合わせというか色彩設計がものすごく苦手なんです。学校の授業で色の組み合わせ方や考え方は学んだのですが、テストの時はいつも点数が(ほかの項目に比べて)一番低くて……(苦笑)。
ただ、その時に先生から教えていただいたのが、「重点となる色をひとつ選び、それに似ている色を使う」というやり方です。たとえば、メインの色を赤色としたら、オレンジ、ピンク系を中心に使っていくと統一感が生まれます。
色使いは自分なりに気をつけてたくさん練習しましたが、もっともっとすてきな色で描けるようになりたいですね。
──ラフは普段どのくらい描くのですか?
構図は頭の中でたくさん考えますが、実際に描いてみるのはそのうちの2~3種です。そして描いてみたものの中から気に入ったものを選ぶのですが、それよりも頭の中でパッとひらめいたものを一気に描いてしまうほうが、結果的にいいイラストになることが多いですね。
やっぱり描いているうちにモチベーションが下がってしまうので、テンションが高いうちに一気に描き進めないと完成まで大変で……。最近は以前より描き込むことが多いので、1枚仕上げるまでにかかる時間が(以前より)かかるようになってしまったので、余計にそう感じます(苦笑)。
──テンションを維持するのは大変ですものね。普段は1枚のイラストを仕上げるのにどのくらいの時間がかかるのですか?
筆が乗る時とそうでない時の差が大きいのですが、それでもたいていは10時間ぐらいで仕上げまで終わります。一番時間がかかったのは、「glow」という作品で、これは30時間ぐらいです。初めて厚塗りに挑戦した作品なのですが、細かいところを描き込むのが大変で大変で。丸一日ぶっ続けて描き込みをしていたら、さすがにしばらく絵を描きたくないな……って、えへへ。
今回のイラストは12時間ぐらいかかっています。
──これから描いてみたい題材、挑戦したいジャンルなどはありますか?
今音楽を創っている友人と、廃墟や古い機械が登場する物語性のある作品を一緒に創ろうと準備を進めています。機械は今までほとんど描いたことがなかったので、挑戦のしがいがあります。
イラストを描くのは大好きなので、これからも好きな題材に愛を込めて描き続けていきたいです。それが一番の望みですね。
ワンランク上の作品クオリティに仕上げる「Adobe Photoshop CC」
思った通りの絵を描くためでなく、自分の想像すら超えるような表現を探るために「Adobe Photoshop CC」を活用しているというRellaさん。メイキングでも、レイヤーやフィルターの効果ひとつで画面に大きな変化が起こり、それらの重ね合わせによって観る人を圧倒するような作品が生まれるということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
自分にはハードルが高いかも……と感じた人が、中にはいるかもしれませんが、「Adobe Photoshop CC」はプロのためだけに用意されたツールではありません。記事中やアドビのサイトで紹介されていた水面フィルターなど、お絵描き初心者の方でも作品のクオリティをぐっと上げることが出来る、お絵描きの強い味方なのです。
さてここで、「Adobe Photoshop CC」を使ってみたい! という方には朗報です!
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