イラストの貴重な制作工程も!魅力的なオリジナルキャラクターを生み出すイラストレーター・SAYAのこだわり
pixivで活躍する世界中のアーティストにインタビューする「Artist's Spotlight」。
イラストの制作工程や細部に込められたこだわり、クリエイターとしてステップアップしていく方法に迫るシリーズです!
今回お話を聞いたのは、韓国を拠点に活動するフリーランスのイラストレーター・SAYAさん。オリジナルキャラクター「チヨリ」が多くのファンに支持されています。
SAYAさんに、最近の作品制作の裏側から、魅力的なキャラクターを生み出す秘訣まで語っていただきました!
SAYAさんの活動とイラスト紹介
── まずは簡単に自己紹介をお願いします。代表作と現在の主な活動内容についても教えてください。


現在はフリーランスのイラストレーターとして活動しています。二次創作もオリジナル作品も描きますが、二次創作を通じて、私の絵を好きになってくれる方が少しずつ増えていき、その流れで「自分だけのオリジナルキャラを描きたい!」という気持ちがどんどん大きくなっていきました。そうして自然に、今ではオリジナルキャラクターの「チヨリ」を描くのが活動のメインになっています。
お気に入りイラストの制作工程を公開!
── 最近描いた作品の中で、特にお気に入りの作品を教えてください。

── この作品を描いたきっかけを教えてください。どんなところからインスピレーションを得たのでしょうか?

チヨリの定番衣装はバニーガールなんです! なので、バニーガール衣装を着たチヨリがいろんなシチュエーションに登場するイラストをたくさん描いてきました。
そもそも現実ではあり得ないシチュエーションなのですが、その上で、「地下鉄にバニーガール姿の人がいたら、どうかな?」「そのとき、どんな表情をするかな」と想像していきました。そういう非日常的なシーンも楽しんでもらえるのではと思って、この作品を制作しました。
── この作品を特に気に入っている理由を教えてください。

なんと9万人もの方が「いいね」してくれて、まさに人生の宝物のような作品になりました。イラストを描いていて一番嬉しい瞬間は、やっぱり多くの人に認めていただいたり、褒めていただけることだと思います。でも、私は活動歴は長いものの知名度は低いままで、ずっと苦しかったんです。
この作品でやっと、それまでの努力が報われたような気がしました。過去に二次創作でたくさんの「いいね」をいただいたことはありますが、オリジナル作品でこの数字をいただけたのは、また違った意味で特別で、本当に感謝と幸せでいっぱいです。
── SAYAさんにとって特別な作品になったんですね。この作品の制作工程を振り返って、一番楽しかった工程はどこですか?

一番楽しかったのは、やっぱり顔と髪を描くときですね! 私は、キャラクターの顔はイラストの中で一番大事だと思っています。この作品ではスケッチの時点で「理想の可愛い顔が描けた!」と感じていたので、着色作業も楽しく進めることができました。ラフの段階から気に入っていたイラストは、どの工程も本当に楽しく描ける気がします!
▼ラフからの制作工程



── では逆に一番大変だった工程は?

── 特にこだわった表現や意識したポイントを教えてください。

顔だけじゃなく、耳まで真っ赤になっている表情がポイントなので、頬や耳の赤らみの描き方には特にこだわりました! 「(頬の紅潮を表現する)斜線はどのくらい描こう?」「口元はどれくらい伸ばすのがいいかな?」とか、細かいところをすごく考えました。髪の毛も、ちょっと汗で湿った感じにしようと思って。そういった表情や髪の表現には、細かく気を配りました。
完成作品を改めて。頬や耳の赤らみ、口元、髪の毛といった細部の表現にも注目!
魅力的なオリジナルキャラクターのつくり方
── SAYAさんが描くキャラクターは、愛らしくもどこか寂しげな表情が印象的で、つい見入ってしまいます。表情を描くときに一番大事にしている要素は何ですか? また、その表情が作品全体の雰囲気やメッセージと調和するように、意識していることがあれば教えてください。

特に意識して描いたことはないのですが、そう言っていただけるとちょっと嬉しいです...…! 満面の笑みをあえて描かないのは、キャラクターの性格のせいかもしれません。ちょっとすねたような、無表情だけど顔を赤らめているとか、恥ずかしそうに困っている表情が好きです。どこかツンデレな雰囲気というか。
だから私のオリジナルキャラも、ちょっとクールだけど気配り上手という性格に設定しています。そういう控えめな「ツンッ」とした感じが、作品の雰囲気にも自然とにじみ出るように心がけています。表情を描く上で一番大切にしているのは、やはりそのキャラクターの“性格”ですね。
── クリエイター活動を続ける中で、多くのファンに作品を届けるために、工夫されているご自身のブランディング方法があれば教えてください。

私が意識しているのは、「たくさん描くこと」です。たくさん描いて発信することで、自分のことを知ってもらえるようになり、徐々にファンの方も増えていきました。それから、作品を「手元に置けるカタチ」で届けることもすごく大事にしています。同人誌即売会に出展したり、同人書店で委託販売したりして、ファンの方が私の絵を実際に手に取ることができるようにしています。
同時に、pixivやX(旧Twitter)などのSNSで作品を公開し多くの方に知っていただくことが、イラストのご依頼にもつながっています。そして、感傷的なタッチが好きな方、可愛くてセクシーな絵が好きな方、それぞれの好みに応えられるよう、幅広いタイプのイラストを描くことが私のブランディング法だと考えています。
── 最後に、いつも応援してくださるファンの皆さん、そしてこの記事を読んでくださっている方々へメッセージをお願いします。

いつも応援してくださるファンの皆さま……最近活動が少なくなってしまって、待っていてくださる方々のことを考えると本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。たくさんのイラストレーターの中から、私の絵を特別に思って好きでいてくださるファンの方々がいるからこそ、私は今まで続けてくることができました。その思いに、感謝の気持ちで胸がいっぱいになります。
この「Artist's Spotlight」を通して、ひたむきに「絵ひとすじ」で歩んできた自分のこれまでを振り返り、楽しく絵を描いていた頃の気持ちを思い出すことができ、とても幸せでした!
そして最後に、この記事を読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。
── SAYAさん、ありがとうございました!