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  • 縦スクの分業制作に個人の”熱”を持ち込めるか。WEBTOONレーベルPikaloが目指す「記憶に残る作品をつくる」とは?
インタビュー
2024.10.05

縦スクの分業制作に個人の”熱”を持ち込めるか。WEBTOONレーベルPikaloが目指す「記憶に残る作品をつくる」とは?

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縦スクの分業制作に個人の”熱”を持ち込めるか。WEBTOONレーベルPikaloが目指す「記憶に残る作品をつくる」とは?

インタビュー/ナカニシキュウ

ピクシブと、WEBTOON制作会社・LOCKER ROOM、出版社・KADOKAWAの3社により創刊されたWEBTOONレーベル「Pikalo」(ピカロ)。記念すべき第一作目の『ねえ、忘れていいよ。』は8月末より配信がはじまり、今後も新タイトルがリリースされる予定です。


新たなレーベルをはじめた理由、そしてクリエイターにとってのPikaloの魅力を、Pikalo編集部の朝岡優太さん、藤本七愛美さんにお聞きしました。作家さん個人の熱量を重視し、記憶に残る作品を生み出そうとする姿勢に迫ります。

左から、朝岡優太さん、藤本七愛美さん。

目次
  •  記録よりも記憶に残る作品を
  •  大事なのは熱が乗っているかどうか
  •  Pikalo参加クリエイターの声
  •  仕事は楽しくなかったら嫌じゃないですか
  •  シンボリックなタイトルを作らなければいけない
  •  PikaloではWEBTOONクリエイターを募集中!!
  •  ピクシブが最新の縦読みマンガ情報をお届け!

記録よりも記憶に残る作品を

── Pikaloは、朝岡さんが代表を務めるWEBTOON制作会社・LOCKER ROOMと、ピクシブ、KADOKAWAの3社による協業で生まれたレーベルということですが、どういった経緯で発足したんですか?

朝岡:そもそもは、2020年の冬くらいにピクシブさんからLOCKER ROOMにWEBTOON制作についてのお問い合わせをいただいたのが始まりです。当時は僕らもWEBTOONを始めたばかりのタイミングだったんですが、業界のあり方や将来的な見通しに関してピクシブさんと意見を交わす中で意気投合しまして。当時はまだWEBTOONといえば韓国のものというイメージも強かったころで、「国産のWEBTOONを作るプロジェクトをやろう」と始まったのがPikaloプロジェクトです。そこに、もともとピクシブさんと「ジーンピクシブ」レーベルをやられていたKADOKAWAさんにも加わっていただいた形ですね。

──LOCKER ROOMとピクシブの間で意気投合したポイントというのは?

朝岡:WEBTOONだろうが版面マンガだろうが、ドラマでもアニメでもなんでもそうなんですけど、「作り手が面白がって作らなければ文化になっていかない」というところですね。要は、すでに人気のジャンルや作品傾向に合わせて数字の取れる作品ばかりを作っていても、商売にはなったとしても文化としては根付いていかないだろうと。これはもちろん、KADOKAWAさんとも見解が一致したところです。

「誰かのスキの生みの親」がPikaloのキャッチコピー。

──「WEBTOONを文化として日本に根付かせる」という明確な旗印の元に立ち上がったレーベルなんですね。

朝岡:そうですね。業界においてユニークなポジションでいることはけっこう強く意識していて、「記録よりも記憶に残る作品を作る」「作家が憧れる作品を作る」「ほかがやっていないことをする」という3つのポリシーを打ち出しています。まず「記憶に残る作品」とはどういうことかというと、たとえば何か作品がひとつあったとして、それがどうなったら“敗北”なのかを考えたときに、僕らとしては”売れない“よりも”埋もれてしまう“ほうが敗北だと考えているんです。WEBTOONの場合はとくに「読んでるときは楽しかったけど、あとから考えたら何も覚えていない」というような作品も多いと思っていて。

──なるほど。

朝岡:そうではなく、しっかり何かが残るものを作りたい。そういう作品は作家さんからも憧れを持って見てもらえますから。要は、『コミックビーム』とか 『くらげバンチ』のような「なんかカッケー」と思われる存在が理想ってことです(笑)。作家さんが「あの媒体で描きたい」と名指しで思うような……その最たるものが『週刊少年ジャンプ』ですよね。そういう場にこそ才能の原石が集まってくる。

──作品が載るなら憧れの媒体がいいと思うのは当然ですもんね。

朝岡:もうひとつの「ほかと違うことをする」は、たとえば「全作品を紙で書籍化する」と明言するようなことはうち以外のレーベルではやっていないですし、ボイスドラマ化やショートドラマ化なども自前で一気通貫にできる体制が整っています。そういった試みも含めて、作家さんにとって魅力的なレーベルになれたらいいなと。

WEBTOONの書籍化については、Pikaloのnoteにて、KADOKAWAの担当者さんが思いを綴られています。

── 自作が紙の本になるのはやっぱり嬉しいし、達成感もありますよね。3社の強みを生かすことで、それが可能になると。

朝岡:そうですね。前例のないことをする以上、短期的には失敗することも多々あると思うんですけど(笑)、中長期的に見て大成功する可能性のほうに張っています。それもこれもピクシブさん、KADOKAWAさんとの共同レーベルだからこそできることで、本当に皆さまには助けていただいています。

──レーベルとしては、BLなどの女性向けジャンルに注力していく方針だと聞いていますが。

朝岡:もともとはそのつもりだったんですが、最近はそこに執着しなくてもいいかなと思い始めています。仮にギャグマンガが最初に当たったらギャグ作品が増えていくでしょうし、結局は最初に何が当たるか次第だと思うんですよ。今は割合でいうと女性向けが8割、男性向けが2割ぐらいなんですが、女性向けの作品であっても男性が読んでも面白いように作っていますし、逆もしかりです。割合もこれから変わっていくと思います。

──もともと女性向けに特化しようと思っていたのは、ほかとの差別化という意味合いが強かったのでしょうか?

朝岡:いや、差別化というよりは、単純にうちのスタッフに女性が多いからというのが大きいですね。最初にお話ししたように「作る側が楽しまないといけない」という基本姿勢がありますので、彼女たちがより体重を乗せて作れるのはやはり女性向けジャンルだろうと。それに加えて、新しいメディアのユーザーは女性が多いものなので……たとえばTikTokの縦長動画なんかもそうですよね。なのでそこをターゲットにしたほうがいいだろうと思ってのことだったんですが、ここ1年くらいでだいぶ状況も変わってきまして。今はそこまでパキッと分けなくてもいいかなと考えています。

Pikalo編集部の紹介note。編集者も増員しつつ、新たなヒット作を目指します。

大事なのは熱が乗っているかどうか

── Pikaloの人材募集は「個人クリエイター」と「分業クリエイター」に窓口が分かれていて、どちらにも応募できるようになっているのが非常にユニークですよね。

朝岡:そうかもしれないですね。たぶん一般的なWEBTOONスタジオでは個人作家を募集することはほとんどないと思うんですけど、Pikaloはスタジオではなくレーベルなのでそうなっています。たとえば今回藤本が作ったPikalo第1作の『ねえ、忘れていいよ。』は制作スタイルとしては分業作品なんですけども、原案・脚本・プロデュースをすべて彼女が担っているので、だいぶ藤本個人のカラーが色濃く出ています。
<あらすじ>軽音部の一樹(かずき)は、バンド『MementO MOri』の大ファン。学校1のイケメンでサッカー部のエース・希人(きひと)も同じバンドのファンだと分かり、ふたりは意気投合。歌が上手く、本当は音楽をやりたかった希人は、一樹が組んでいるバンドに一時的に加入することに。二人はそのまま、人生を共にすると思っていたが——?

藤本:原案と脚本までを私が書いていまして、それをネーム作家さんに渡してネームを切ってもらって、線画の方に渡って……という流れで制作しています。
朝岡:従来の伝統的な日本のマンガって、基本的には個人の作家さんが作ってきたものじゃないですか。組織ではなく個人が作ることでしか生まれない“偏った”アイデアから、思いもよらぬヒット作が生まれてきた。その可能性に張っていますね。ただやはり、現実的には個人での週刊連載は非常に難しいんですよ。とくにWEBTOONの場合はフルカラーで毎週仕上げなきゃいけないんで、ひとりで全てこなすのはかなり大変です。

──週間でフルカラーの作業量を考えるとそうですよね……。『ねえ、忘れていいよ。』はどんな着想から生まれた作品なんですか?

藤本:最初にPikaloの理念についての話を聞いたときに、それに見合うユニークな企画を出したいと思いました。なのでWEBTOONで流行っているジャンルや市場で求められている題材などをいったん度外視して、自分は何がやりたいのかを考えた結果、「BLだ!」という結論に至りまして。そのアイデアを朝岡に打診したところ、「BLええやん」と(笑)。
朝岡:藤本個人の熱がちゃんと企画に乗ってるし、「じゃあやるか」と。ある意味、彼女の熱量に賭けました。Pikaloではけっこうそういう始まり方が多いです。経営的な判断ももちろんありますけど、それ以上に“熱が乗っているかどうか”をより重視しています。
藤本:ただ、BL市場も大きくなってきていたので、企画の段階でいろんな題材がやり尽くされてはいたんですよね。その中で「空いてるところはどこだ」と探して……具体的に言うとネタバレになっちゃうんですけど(笑)、「ここが空いてた!」という題材を見つけて形にしたのが『ねえ、忘れていいよ。』です。なので本当に流行りとか売れ線を全部外したところから始まっている作品でして、そこがとてもPikaloらしいなと思いますね。

──ネーム以降を作家さんにお願いしたあと、たとえば「ここのセリフを変えたい」とか「こういう作画演出を思いついた」みたいな声が上がってきたりはするんですか?

藤本:ありますね。基本的に私たちの会社は「作品をよくするためのアイデアは大歓迎です」というスタンスなので、「このほうがいいと思います」「たしかにそうですね、それで行きましょう」みたいなやりとりはけっこう発生します。もちろん、無断で変えるのはダメですけど(笑)。
朝岡:それも「作り手が楽しんで作る」ことを重視するがゆえのことですね。

『ねえ、忘れていいよ。』2話より

──現在クリエイターとしてPikaloに所属している方は、個人作家さんと分業スタッフさんの割合でいうとどんな感じなんですか?

藤本:応募者数的には、分業のほうが多いですね。やはりストーリー作りから作画、仕上げまで全部できる人よりも、「着彩だけなら」「背景だけなら」という人のほうが単純に多いので。

──「本当はもっと個人の方に来てほしいな」とかはありますか?

藤本:両方とももっと来てほしいです(笑)。という気持ちはあるんですけど、先ほど朝岡からも話があったように個人で連載を持つのは本当に大変なので、現状の応募数になるのも妥当かなとは思っています。

──たとえば「線画までを個人でやって、着彩以降を分業で」みたいな形もあり得るわけですよね?

藤本:あり得ますが、それだと結局分業型でやるのと同じことになっちゃうかなあとも思っていて。

朝岡:答えは見えていないです(笑)。どういう形が個人制作ならではの旨味を生かせるのか、今後いろいろなやり方を試しながらモデルケースを探っていく感じになると思いますね。

Pikalo参加クリエイターの声

──実際にPikaloに参加されたクリエイターの声を聞くべく、『ねえ、忘れていいよ。』の作家さんおふたりに質問をしました。

ネームご担当:轍(わだち) 先生

新米のWEBTOON作家。『ねぇ、忘れていいよ。』のネーム担当。本作が初の商業作品。


Q1. Pikalo参加のきっかけは?


A. 趣味の絵を仕事に活かしたいな~と考えていた際にWEBTOONの分業形式を知り、制作会社であるLOCKER ROOMさんにネーム作家として応募させていただいたのがはじまりでした。そこから「WEBTOONのBL作品を作りませんか?」とお声がけがあり、元々BLが好きだった自分は「これは天啓だ……!!」と感じて即座にPikaloさんに参加させていただきました。


Q2. 参加してみての感想は?


A. 横読みマンガの形式にとらわれず読んだり描いたりできるWEBTOONなのですが、Pikaloさんでは尚の事、自由にネームを制作させていただきました(笑)。「こういう演出は面白いんじゃないか?」というアイデアをどんどん盛り込んでいます。あとはこれは自分が好きだからという理由もあるのですが、Pikaloさんが女性向けジャンル中心に作品を制作されていることが、「自分も読みたい! 描きたい!」という意欲向上に繋がっています。


Q3. 『ねぇ、忘れていいよ。』のお気に入りのシーンは?


A. 主人公ふたりがちょっとしたすれ違いから気まずくなってしまい、それから……という展開があるのですが、見ているこちら側が眩しくなってしまう位の青春ストーリーなので、ぜひこのエモさを感じでいただきたいです……! 他にも、タテだからこそ映えるコマ演出なども節々に取り入れてみたので、そんな部分も見ていただければ幸いです。

仕上げご担当:永世(ながせ) 先生

『ねぇ、忘れていいよ。』の仕上げ担当。本作が初の商業作品。Xアカウントhttps://x.com/naga7992


Q1. Pikalo参加のきっかけは?


A. もともとWEBTOON作品を読むことと、絵を描くことが好きで、好きなことをお仕事にできないかといろいろ調べていました。そんな時に、たまたま流れてきたPikaloさんの作家募集の広告に惹かれ、応募しました。


Q2. 参加してみての感想は?


A. 初めてのWEBTOONのお仕事なので、他と比べることはできませんが、仕上げの際の目指すべき雰囲気をイメージしやすいと感じています。お仕事をいただいた最初に、こういう雰囲気の作品にしたい、〇〇の感じを大切にしたい、という作品の方向性について深く共有していただきました。そのおかげで仕上げ作業の道しるべができ、迷った時にはかなり助けられています。


Q3. 『ねぇ、忘れていいよ。』のお気に入りのシーンは?


A. 個人的には文化祭のお話がお気に入りです。お化け屋敷で怖がっている希人くんを一樹くんが引っ張ってあげたり、後夜祭ライブをしたり、2人が思いっきり青春してキラキラしているので読んでいてとても楽しかったです。文化祭を満喫している2人につられて、私自身も仕上げをしている時に楽しい気持ちになりました。

『ねえ、忘れていいよ。』1話より

仕事は楽しくなかったら嫌じゃないですか

── 元のインタビューに戻ります。Pikaloに応募した人が実際に作品を担当するまでは、どういう流れになるのでしょうか。

藤本:分業と個人でちょっとルートが違ってくるんですが、分業の場合はご応募いただく際にポートフォリオを送っていただくようにしています。それを元に技術レベルやジャンル適性を判断して、そのとき動いているプロジェクトに空きがあればお声がけしていく。正式依頼の前にトライアルとして1話の半分くらいの作業量をやっていただいて、そこで作品との相性を確かめる感じですね。こちら側の視点からだけじゃなくて、その方自身の「この系統の作品はあまりやりたくない」というのもあると思いますので。そこで双方の合意が取れれば正式依頼に進みます。

HPに掲載された、分業クリエイターの制作の流れ。応募要項では職種ごとの詳しい条件を確認することができます。

──なるほど。「こういう作品を担当したいです」みたいな希望もちゃんと聞いてもらえるんですね。

藤本:基本的には応えたいと思っています。なので最初にお仕事を依頼するときには必ず、好きなジャンルやテイストについてヒアリングするんですが、必ずしも好みと適性が一致するとは限らないので、「希望とは違うんだけど、あなたはこちらの作品のほうがスキル的に向いていると思います」という話をするケースもありますね。最終的には、しっかり話し合いをしたうえで引き受ける/引き受けないを判断してもらっています。

──たしかに、好きだけど向いていないものをやるよりも、好きではないけど向いているものをやったほうが結果的に幸せな場合もありますもんね。

藤本:そうですね。そこは本当に、その方がどちらを優先したいかによると思います。

── 個人作家さんの場合はどうですか?

藤本:個人作家さんは、基本的にプロデューサーが「この人の担当につきたい」と思った方にお声がけして、一緒に企画を作って編集部の企画会議に持っていく形になります。

個人クリエイターの制作の流れ

── 従来の雑誌持ち込みとほぼ同じような流れですね。

藤本:はい、同じです。なので皆さんもイメージしやすいのではないかと思います。

── 昨今ではWEBTOONスタジオがあちこちにできていて、描き手を目指す方の選択肢が増えていると思います。その中で、よそではなくPikaloで描くメリットは何ですか?

朝岡:やはり、売れているジャンルだけではない、挑戦的な作品作りができることが一番大きいと思います。もちろん多少のアジャストは必要になってくるんですけども、僕らはあまりガチガチに「この範囲内でやってください」ということは言わないです。

準備中の新作より。くたびれた中年刑事が不思議な少女とタッグを組む意欲作。

── なるほど。個人作家さんはもちろんですけど、分業でやりたい人にとってもそれは大きなアドバンテージかもしれないですね。やはり「分業=売れ筋のジャンル」みたいなイメージは強いと思いますし。

朝岡:そうですね。しつこいようですけど、描く人の筆が乗ってないと、記憶に残る作品にはならないんですよ。まあ、筆が乗ってなくても売れるときは売れるんですけど(笑)、とはいえ仕事はやっぱり楽しくなかったら嫌じゃないですか。

── 楽しく仕事したほうがよりクリエイティビティが発揮されるのは間違いないですしね。

朝岡:そこはすごく大事にしたいところですね。たぶんですけど、アニメ業界とかでも同じなんじゃないかと思うんですよ。ロボットに興味ない人が作画するロボットアニメと、めっちゃロボット好きが集まって作るロボットアニメとでは、最後のところで変わってくる気がします。ラストワンマイルというか、「神は細部に宿る」じゃないですけど。

── そのアニメ会社にちゃんとロボット好きが集まるようにするには、会社のイメージが確立される必要がありますよね。

朝岡:そうですね。だから我々も「Pikaloといえばこれ」を確立したいんですよ。ちゃんとみんなが認知するくらいのヒット作を生み出せたらだいぶ潮目が変わると思うんで、最初のヒット作が何になるのかは編集長としてすごく楽しみです。

朝岡さんが書かれたnoteには、「記憶に残るものを作る」「短期でうまくいかなくても打席に立ち続ける」といった言葉が綴られています。

── あれですよね、サンライズにとっての『機動戦士ガンダム』みたいな。

朝岡:そうそうそう。ガンダムが当たったからサンライズにはそのイメージがついたけど、もし別の作品がヒットしていたら、まったく違うイメージの会社になってたかもしれないっていう。Pikaloにとってのそれがどんなジャンルの作品であっても僕はうれしいです。それこそBLでもいいし、ギャグでもスポーツでもなんでもよくて。

── その結果、「サンライズでアニメを作りたい」という人がいるように、「Pikaloで描きたい」という人が集まるのが理想であると。

朝岡:そういうことです。

シンボリックなタイトルを作らなければいけない

── 業界全体としても、Pikaloのようなスタンスのレーベルやスタジオがもっと出てきて、スタンダードになっていくといいですよね。

朝岡:そうなったほうがいいとは思っています。だって今売れているWEBTOON作品ってロマンスファンタジーとか俺TUEEE系とかが多くて、「それ、アニメ化したときにグッズ売れます? 二次創作したくなります?」と思ってしまいます。作品をグローバルに広げていくときにキャラクタービジネスが成立するかどうかってすごく重要で、それはつまりそのキャラクターが人の心に残るかどうかってことなんですよね。

── たしかに、現状のWEBTOONにあまりIP化のイメージはないですね。

朝岡:『ONE PIECE』をタテで読みたい人はいないし、タテである必要もあんまりないですから。「スマホでサクッと楽しめる」的な文脈とIP化の文脈って、両立がすごく難しいんです。でも、国産のWEBTOONを北米やヨーロッパ、アジアへ広げていくためには、日本生まれのシンボリックなタイトルを作らなければいけない。アニメやドラマ、ゲームなどまで広がる作品を、ここから5年10年の間に生み出さないと、「べつにヨコのマンガでええやん」となってしまう。WEBTOONならではのシンボリックな作品を作って、それによって市場を大きくしていくことが、僕らの抱えているミッションだと思ってます。

準備中の新作より。異世界転生したアイドルオタクがプロデューサーとなり、個性豊かな魔族のメンバーとアイドルユニットをはじめる。

── 逆に言うと、“WEBTOONならではの性質を備えながら、IP化にも耐えうる作品”が必ずできるはずだという確信があるわけですよね。

朝岡:「なんか道はあるんじゃない?」とは思ってますね(笑)。確信とまではいかないですけど、あってもいいやんとは思います。そういう意味では、国産WEBTOONでその兆しを最も見せてくれたのがナンバーナインの『神血の救世主 ~0.00000001%を引き当て最強へ~』なんですよね。ほかにも、志を持ってそこにトライしている例がいくつかあります。

── 実際問題として、“ヨコのマンガにできてタテではできないこと”って何かあると思いますか?

朝岡:めっちゃあります。シンプルに見開きが使えないとか。
藤本:描き込みの量はめちゃめちゃ違ってきますね。見開きの場合は情報量を描き込むことができるんですけど、WEBTOONの場合はスクロールですぐ読み終わっちゃうんで、盛り込める情報量がすごく限られる。画角やコマ割りなども、どうしても限定的にはなってしまいます。

── ただ、それはあくまで演出面のお話ですよね。作品そのものが成立するかどうかでいうとどうですか?

朝岡:そういう意味で言うなら、タテだとできないことってのは本質的にはないと思います。

── ですよね。だからこそ、今まで誰もが「タテではできない」と思っていたようなジャンルでヒット作を生んでもらえたらうれしいなと。

藤本:そうですね、がんばります……!
朝岡:それによって市場が大きくなればまた作家さんが集まって、さらに新たなヒットを生める循環ができるはずなんで。そういう業界になっていって、最大の原石がPikaloに集まるようになるといいなと思います。

PikaloではWEBTOONクリエイターを募集中!!

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応募要項ではより詳細な情報をまとめていますので、そちらもあわせてご覧ください。


>>応募要項<<

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