「相互さんが他の作家と仲良くしていることが気になる」読者に対する意識だけはプロ仕様に/カレー沢薫の創作相談

文/カレー沢 薫
相互さんが他の作家と仲良くしていることが気になる
まず相談文を読んで「重い」と思いました。
ただし重いのはあなたの相互さんへの感情ではなく、相互さんのAさんへのアクションが結構重いなと感じました。
「Aさんとの交流は表で紹介」とは何なのか、Aさんと会った日をExcelで表(ひょう)にして公開しているのかと思いましたが、おそらく表(おもて)ですね。しかしこの相互さんならExcelもワンチャンあるぞと思ってしまいました。
そもそもAさんが許可しているなら良いのですが、表(not Excel)で、いつ誰と会ったなど、名前を出して書くのは控えた方が無難です。
もし相手が配偶者などに「会社の出張」と言って出てきていたら大ごとになりますし、そうでなくても魑魅魍魎が跋扈するインターネットにプライベートなことを書き過ぎたら何が起こるかわかりません。
それなのに書くということは、相互さんはAさんと懇意にしていることを世の中に発信したくて仕方がない状態なのでしょう。
つまり、あなたは相互さんに塩対応されているわけではなく、Aさんの方が山盛りコンデンスミルク対応されていて、自分は普通に接されているだけ、と思いましょう。
この相談文内で一番悩んでいるのはAさんなんじゃないかと思いますが、それも私の想像でしかなく、実はAさんも相互さんのExcelをCSVに変換し、どこからでも見られるようにしているかもしれませんし、2人がプソキュアであることを魑魅氏や魍魎殿にも知ってもらいたいと思っているのかもしれません。
しかし、それもまた想像でしかないのです。
傷つくのことは当然だが、これは事故
己の創作の価値を相互さんに依存しない
また、Aさんと自分への態度に差があることと、「私の作品には、感想を送りたいと思うほどの価値がないんだ」の間には200ページぐらい飛ばして読んだかのような飛躍があります。
相互さんがAさんの創作が好きで、イラストつき感想まで送る価値があると思っているのは事実かもしれません。しかし、あなたとAさんはニコイチで表裏一体の魂の双子というわけではないので、感想がこないことが、あなたの創作が嫌いで一瞥もくれる価値がないと思っていることにはなりません。
そう思えてしまうのは、あなたの中で相互さんの存在が大きくなりすぎて、一挙一動を深読んで、相互さんに気に入られることだけが、自分の創作の価値になってしまっているからでしょう。
確かに、創作者は一番最初に感想をくれた人などを親と思ってついていく習性があるため、特定の読者や創作仲間にデカすぎる感情を抱き、その人に気に入られるものを作ろうとしたり、思うように感想をくれないことに激病み君するのはよくあることです。
よくあることですが、一度経験すれば十分なことでもあります。ひとりの人間に執着しすぎて己の価値まで相手次第となるとろくなことがないと学んだなら、同じことを繰り返さないようにしましょう。
読者に対する意識だけはプロ仕様に
そうはいっても、人間はそう簡単には変われないとは思うので、せめて創作関連では同じことをしないようにするのです。
あなたは趣味で創作をしているのだと思いますが、読者に対する意識だけはプロ仕様にしましょう。
プロは読者のことを全て平等に見ており、全員カボチャにしか見えてないんだからその中にアボガドを作るなという意味ではありません。
プロとて最初期から応援してくれている読者のことは認識しているし、心の中では特別に思っていたりはします。
そういう古参が、自分のことを追わなくなったり、目に見えて別の作家を推すようになったりしたら寂しいですし、「アタシよりその鬼滅って奴のどこがいいの?」と詰め寄って、3億個はある理由を全部吐かせるまで監禁したいところです。
プロでさえそう思う人はいるのですから、あなたがAさんのことで傷つき寂しいと感じるのは本当に致し方ないことです。
しかし、古参の読者が離れてしまったからといって、今描いているものに価値がないとは思いませんし、まして描くのをやめようとは思いません。
昔応援してくれた読者の心が離れたのは悲しい、それとは別として作品は今読んでくれている読者のために描きます。
相互さんのことで傷つき、病みポストしちゃったのも仕方なく、今は無理して創作することもありません。
ですが既存の作品だけは他の読者のために公開にしてみてはどうでしょうか。
そもそも読者は相互さんしかおらず、俺とお前たったふたりの宇宙だったのに、というなら、やはり根本原因は濃密すぎる人間関係だと思います。
もう特定の相手にクソでか感情を抱きがちで、創作活動自体がそれで左右される性質はどうしようもないとして、今後はでかい感情をひとりに向けるのではなく、五人ぐらいに分散投資してリスクを減らす方向にしてみてはどうでしょうか。













先生、はじめまして。辛くなってしまったので相談させてください。
私はこれまで、ブクマは頂いても作品について「ここが好き」など具体的な感想をほとんど貰ったことがありません。それでも創作を続けてきましたが、先日、前ジャンルからの相互さんが、現ジャンルで交流のある別の作家さん(Aさん)に、作品を読んだ上でイラスト付きの感想を送っていたことを知りました。ちょうど私も同時期に作品を書いていましたが、私の作品はスルーされていました。
この相互さんとはオフ会をすることもあったのですが、私とのオフ会は名前を出さないのにAさんとの交流は表で紹介していることもあり、以前からの寂しさが一気に爆発してしまいました。
「私の作品には、感想を送りたいと思うほどの価値がないんだ」と感じ、創作意欲も折れ、pixivの作品を一時非公開にし、病みポストもしてしまいました。
こんなとき、どう気持ちを整理すればよいでしょうか。